レッドブル代表、角田裕毅の移籍後ベストレースを喜ぶ「予選も決勝も強かった。努力の賜物」来季についての決定は数戦後
F1アゼルバイジャンGPで、角田裕毅は、レッドブル・レーシングに加入して以来のベストリザルトを挙げた。チーム代表のローレン・メキースは、「今年、我々とともに戦ったレースのなかで、彼にとってベストのレースだった」「予選で強さを見せたし、決勝ではさらに強かった」と角田を称賛した。
メキースと角田は、レーシングブルズ時代から強固な関係を築いており、角田のドライビングに必要なものを理解しているメキースの存在が、角田のパフォーマンス改善に役立っているとみられている。
角田の決勝ペースについてメキースは「裕毅のマックスとのペース差は、時に0.2秒、時に0.3秒、たまに0.4秒だった。そしてマックスはそのペースで他の全員を引き離していた。つまり、本当に堅実なペースだったということだ」と述べた。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)やランド・ノリス(マクラーレン)がすぐ後ろを走るなかで角田が一切ミスをせずにポジションを守った仕事ぶりを、メキースは称賛した。
「我々としては、マックスが勝利を狙ううえで助けになるために、彼(角田)はマクラーレンやフェラーリに対して必死に防御しなければならないと思っていた」
「しかし実際には、彼は防御する必要はなかった。実力でそこにいたのだ。ランドは彼の後ろにとどまり、大きなプレッシャーをかけてこなかった。だからこそ、これは結果だけでなく、レースペースにおいても彼にとってベストだったといえる」
メキースは、角田がクリーンな週末を過ごしたことで、自分がレッドブル・レーシングの指揮を執るようになって初めて、彼の真のペースを見ることができたと認めた。
「我々にとって(角田の力を評価するために)最も重要だったことは、前回話したように、クリーンなサンプルを得ることだった。その話を彼はモンツァで聞いていたのだと思う」
「彼がとても努力しているので、私としても本当にうれしく思う。彼は努力をやめたことがない」
「ブダペストで厳しい時間を過ごした後、彼は休暇に行く代わりにシミュレーターに直行した。『明日はチームと一緒にシミュレーターに戻って作業する』と言ったのだ。これが彼の姿勢だ。レースがない週末でも、エンジニアと共にどこかで作業をするか、自分のドライビングに取り組んでいる。彼が進歩を示していることを、私は本当にうれしく思う」
こうした称賛の言葉は、角田のレッドブル・グループ内での将来についての質問を呼び起こした。レッドブルは2チームの4シートのうち、フェルスタッペンの1席しか確定していない。
しかしメキースは、来季のドライバー選択については多くを語ろうとしなかった。ドライバーラインアップについての決定は、レッドブル社のコーポレートプロジェクトおよびニューインベストメント担当CEOを務めるオリバー・ミンツラフと、モータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコの手に委ねられているからだ。
メキースは、角田の改善は「我々にとって良いニュースだ」と述べた。
「なぜなら我々が望むのは、ドライバーたちがパフォーマンスを発揮することだからだ。裕毅が改善し続けているのは良いニュースであり、彼はそれに値する」
「我々は落ち着いて状況を見ている。時間があるからだ。急ぐ必要はない。ドライバーのスピードは消えない。彼らは進歩するのだ」
「我々の世界では自信が重要だ。今週末の裕毅は間違いなく大きな自信を持っていた。そうして彼は非常に強力な走りを見せたのだ」
「時間はまだある。(ドライバーについての決定は最終戦の)アブダビまでは待つつもりはないが、あと数レースは確実にある」