最新記事
- 【角田裕毅F1第8戦展望】接触もなく走行時間...
- 【タイム結果】2024年F1第8戦モナコGPフリー...
- F1モナコGP FP2:ホームレースのルクレールが...
- 【タイム結果】2024年F1第8戦モナコGPフリー...
- F1モナコGP FP1:わずかに雨が降るも、ドライ...
- F1第8戦木曜会見:「2位や3位になっても興奮...
- F1 Topic:イモラを訪問したタイ首相はレース...
- アロンソ「イモラのアップグレードでマシンが...
- F1 Topic:スタート失敗に危機感を持つRB。“5...
- 【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンま...
- 海外ライターF1コラム:不名誉な記録に近づく...
- グランプリのうわさ話:アストンマーティンの...
【小松礼雄のF1本音コラム】走行中にバージボード周辺パーツ類が脱落……。パーツの強度不足で“戦う”ことができず
2018年6月8日
現役日本人F1エンジニアとして、ハースF1でチーフを務める小松礼雄エンジニア。F1速報サイトで好評連載中のコラム、今回はF1第6戦モナコGPをふり返り。現在のF1で起きている真相と、現場エンジニアの本音を読者のみなさまにお届けします。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
モナコGPは、今季初めて大苦戦のグランプリになりました。FP1の走り始めからパフォーマンスが振るわなかったのですが、その原因はパーツの強度不足です。走行中にバージボード周辺のパーツが壊れてしまい、ダメージを受けたままの走行を余儀なくされました。
バージボード周辺のパーツは、フロントタイヤを通り抜けてくる空気を効率よく後方へ流し、またフロアの下にどう空気を流していくのか、ということを司る大切なエリアです。
だからこそ、どのチームもこのエリアの開発に集中して複雑なパーツを入れているわけで、そこが壊れてしまうとダウンフォースが恐ろしく落ちるし、ステアリングを切った時のマシンの反応もまったく変わってしまう。
もっと言えば、車高、ロール角、ヨー角というクルマの基本的な挙動変化によるダウンフォースの出方がまったく設計したとおりに出なくなってしまうわけです。そんな状態ではセッティング作業を進めることはもちろんできず、木曜日の走行はあまり意味のないセッションになってしまいました。
特にモナコはとにかくドライバーに自信を持たせることが大切です。よって走行時間中になるだけクルマの設定を変えずにとにかく走り続けることが必要になってきます。そんなところで、最初のランからクルマのパーツが壊れて安定したグリップが得られなくなってしまうと、お話しにならないんです。
1日置いて、土曜日の走行ではパーツ類の修復が難しいこと、そしてそれらが落ちてしまった時の安全面を考慮し、バージボード周辺のパーツ類を取り外して走行することになりました。設計に根本的な問題があるため、それを現場でどうにかすることはできませんでした。
結果、モナコはとにかく持っているすべてのダウンフォースをつけて走るべきサーキットであるにも関わらず、僕らは実際にはアゼルバイジャンGPと同等のようなミディアムダウンフォースレベルでの走行を余儀なくされていました。
この状況ではタイヤがきちんと作動しないし、当然タイムも出ません。予選順位も振るわず、ロマン(グロージャン)が15番手、ケビン(マグヌッセン)は最下位の19番手に終わりました。
ケビンはマシンが遅いから何とかしようとして逆にオーバードライブしてしまい、ミスを犯してQ1敗退となってしまいましたが、仮にQ2へ進出していたとしてもロマンと同じくらいのタイムが限界だったでしょう。Q2で10番手の(ピエール)ガスリーとは0.415秒差もありましたし、今回はQ3へ進出するのは難しかったと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
モナコGPは、今季初めて大苦戦のグランプリになりました。FP1の走り始めからパフォーマンスが振るわなかったのですが、その原因はパーツの強度不足です。走行中にバージボード周辺のパーツが壊れてしまい、ダメージを受けたままの走行を余儀なくされました。
バージボード周辺のパーツは、フロントタイヤを通り抜けてくる空気を効率よく後方へ流し、またフロアの下にどう空気を流していくのか、ということを司る大切なエリアです。
だからこそ、どのチームもこのエリアの開発に集中して複雑なパーツを入れているわけで、そこが壊れてしまうとダウンフォースが恐ろしく落ちるし、ステアリングを切った時のマシンの反応もまったく変わってしまう。
もっと言えば、車高、ロール角、ヨー角というクルマの基本的な挙動変化によるダウンフォースの出方がまったく設計したとおりに出なくなってしまうわけです。そんな状態ではセッティング作業を進めることはもちろんできず、木曜日の走行はあまり意味のないセッションになってしまいました。
特にモナコはとにかくドライバーに自信を持たせることが大切です。よって走行時間中になるだけクルマの設定を変えずにとにかく走り続けることが必要になってきます。そんなところで、最初のランからクルマのパーツが壊れて安定したグリップが得られなくなってしまうと、お話しにならないんです。
1日置いて、土曜日の走行ではパーツ類の修復が難しいこと、そしてそれらが落ちてしまった時の安全面を考慮し、バージボード周辺のパーツ類を取り外して走行することになりました。設計に根本的な問題があるため、それを現場でどうにかすることはできませんでした。
結果、モナコはとにかく持っているすべてのダウンフォースをつけて走るべきサーキットであるにも関わらず、僕らは実際にはアゼルバイジャンGPと同等のようなミディアムダウンフォースレベルでの走行を余儀なくされていました。
この状況ではタイヤがきちんと作動しないし、当然タイムも出ません。予選順位も振るわず、ロマン(グロージャン)が15番手、ケビン(マグヌッセン)は最下位の19番手に終わりました。
ケビンはマシンが遅いから何とかしようとして逆にオーバードライブしてしまい、ミスを犯してQ1敗退となってしまいましたが、仮にQ2へ進出していたとしてもロマンと同じくらいのタイムが限界だったでしょう。Q2で10番手の(ピエール)ガスリーとは0.415秒差もありましたし、今回はQ3へ進出するのは難しかったと思います。
…記事の続きは会員登録後閲覧できます。
※こちらの記事は一般&プレミアム会員専用のコンテンツとなります。
一般+プレミアム会員一括登録
※会員登録後、本文記事が表示されない場合、ページの更新をお試しください。
一般+プレミアム会員一括登録
※会員登録後、本文記事が表示されない場合、ページの更新をお試しください。
関連ニュース
5/24(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
5/25(土) | フリー走行3回目 | 19:30〜20:30 |
予選 | 23:00〜 | |
5/26(日) | 決勝 | 22:00〜 |
※エミリア・ロマーニャGP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 161 |
2位 | シャルル・ルクレール | 113 |
3位 | セルジオ・ペレス | 107 |
4位 | ランド・ノリス | 101 |
5位 | カルロス・サインツ | 93 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 53 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 44 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 35 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
10位 | 角田裕毅 | 15 |
※エミリア・ロマーニャGP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 268 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 212 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 154 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 79 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 44 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 20 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |