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最終周でバーストしながらハミルトンが劇的チェッカー。フェルスタッペンが迫るもわずかに届かず【決勝レポート/F1イギリスGP】
2020年8月3日
F1第4戦イギリスGP決勝が8月2日、現地時間午後2時10分に行われ、予選の速さをそのままにメルセデスの2台が3番手以下を引き離し、圧倒的な強さを見せた展開だったが、そのメルセデス2台がレース終盤にタイヤバーストに見舞われ、ファイナルラップではトップのルイス・ハミルトンが左フロントタイヤがバーストしたままトップチェッカーを受けるという、劇的なフィニッシュとなった。
決勝日は晴天に恵まれたものの気温は金曜よりも大きく下がり、気温は20.9度、路面温度は41.8度というコンディションとなった。ただしレース中の降水確率は40%と低くない。
レーシングポイントから代役出走で13番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグは、グリッドへと向かう途中にトラブルが発生し、ピット出口が閉じられるまでにパワーユニットに火を入れられなかったためピットレーンスタートを余儀なくされたが、スタートまでにマシンを修復することはできず0周リタイアとなった。
ギヤボックス交換のダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)に5グリッド降格ペナルティが科されて19番手、予選Q1での黄旗中のバックオフが不充分と判断されたジョージ・ラッセルに5グリッド降格ペナルティが科されて20番手へと降格されている。
Q3進出の10台のうちメルセデスAMG勢、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ランス・ストロール(レーシングポイント)はミディアムで残りはソフト、そして11番グリッド以下はヒュルケンベルグ以外の全車がミディアムをスタートタイヤに選んだ。
スタートでポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)はやや発進が鈍くバルテリ・ボッタス(メルセデス)が並びかけるものの、ターン3では隊列をリード。後方ではターン2でボッタスに抑え込まれて行き場を失ったフェルスタッペンのアウトからルクレールが並びかけるが、フェルスタッペンはターン4でインをキープしてなんとか3番手を守り切った。
ルクレールの後方にはターン6〜7で混雑を縫ってランド・ノリス(マクラーレン)を抜いたカルロス・サインツJr.(マクラーレン)が5番手へ。6番手ダニエル・リカルド(ルノー)、7番手ノリス、8番手ストロール、9番手エステバン・オコン(ルノー)、10番手にターン9でロックさせて飛び出したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)という順位になった。
ターン17インの縁石をヒットして挙動を乱したケビン・マグヌッセン(ハース)に対し、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が最終コーナーでインを突いていったもののやや強引で左フロントタイヤが接触し、マグヌッセンはグラベルに弾き出されてバリアに激しくクラッシュ。これでセーフティカー出動となった。レッドブルはメインストレートでピットウォール側を走らせて目視でマシンに大きなダメージがないことを確認した。
レースは6周目に再開。首位ハミルトンは一気に後方ボッタスを引き離しにかかり、フェルスタッペンも必死に食らいついていくが2番手ボッタスとのギャップは徐々に開いていく。4番手ルクレールもややフェルスタッペンから後れを取りサインツ以下から突き上げを喰らう。クラッシュ直後からタイヤのバイブレーションを訴えていたアルボンは6周目にピットインしてハードタイヤへと履き替えた。
各車ともタイヤにグレイニングマネージメントを念頭に置いて抑え気味の走行となり、5番手サインツから16番手ラッセルまでがトレイン状態でレースが進んでいく。ボッタスはなんとかハミルトンの1.5秒後方をキープし、ピットストップのチャンスを待つ。
12周目のマゴッツでクビアトがひとつ目のイン側の縁石に乗ったためか突如挙動を乱してスピンし、コースオフしてバリアに激しくクラッシュ。これで再びセーフティカー出動となり、リカルド以下が一斉にピットイン。上位勢はすでに13周目に突入しており、ハミルトンからストロールまでの6台は13周目にピットインして全車がハードタイヤに交換。
ロマン・グロージャン(ハース)だけがミディアムタイヤのままステイアウトして5番手に浮上した。首位はハミルトン、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手ルクレールは変わらず、サインツは6番手、7番手にリカルド、8番手ノリス、9番手ストロール、10番手ベッテルという上位勢の順位となり、すでにピットインを済ませていたアルボンは14番手に浮上した。
レースは19周目に再開。ここでもルクレールがやや出遅れて後方には渋滞ができるが、そのなかでノリスはターン6でリカルドのインを突きターン7でアウトからパスして7番手へ。さらにターン9へ向けてサインツにも並びかけていくがここは一旦譲る。フェルスタッペンは無理にメルセデスAMG勢についていこうとせず、0.7〜0.8秒ほど遅いペースで単独走行に入っていく。
首位ハミルトンと2番手ボッタスはファステストラップを記録し合い1秒のギャップで走行を続ける。しかし23周目あたりからボッタスはペースが徐々に低下し、2台のギャップは2秒以上に広がっていった。ボッタスのペースは5秒後方のフェルスタッペンと同等となる。しかしボッタスは28周目にファステストラップを記録して再び1.5秒差に追い付いた。
30周目、アルボンがピットインしてマグヌッセンとの接触に対する5秒加算ペナルティを消化しつつミディアムタイヤに交換。まだステイアウトのグロージャンはマクラーレン勢に対して際どいブロックを繰り返したため、警告の黒白旗が振られることとなった。セーフティカー出動を待っていたグロージャンだったがその狙いは当たらず。リカルドにも抜かれ36周目にようやくピットインするが、発進に手間取りタイムロスを喫して最下位17番手まで後退してしまった。
右フロントタイヤの内側にブリスターが発生しているボッタスはバイブレーションに苦しんでおり、ハミルトンは40周目にファステストラップを記録してギャップを2.7秒にまで広げる。フェルスタッペンはメルセデスAMG勢と戦うことは考えず、後方のルクレールとのギャップだけを見て走行しボッタスの10秒後方。それでも41周目にファステストラップを記録しメルセデスAMG勢の10秒後方に控える。
46周目にはタイヤのデグラデーションが進んだストロールをオコンがターン6でパスして8番手へ。さらにガスリーも49周目のメインストレートでストロールを捕らえて9番手へ。5番手サインツはバイブレーションに苦しみ、背後にはノリス、リカルドが迫る。ライコネンはマゴッツで縁石の振動のためかフロントウイング左側を壊しスロー走行でピットへ戻る。
50周目のターン3ではボッタスが左フロントタイヤをパンクさせ、スロー走行でピットに戻ることを余儀なくされ、12番手まで後退してしまう。これを見て2番手に浮上したフェルスタッペンはすかさずピットインしソフトタイヤに履き替えて最終ラップにアタックへ。
51周目にはサインツが同じ問題に見舞われ、さらにはハミルトンまでもが最終ラップのターン9でパンク。しかしピットインしたフェルスタッペンとは30秒差があり、5.856秒差でなんとか首位を守りきってトップでチェッカーを受け、今季2勝目。
フェルスタッペンはファステストラップ狙いでピットインしたがために優勝を逃してしまったものの、2位でフィニッシュし1分27秒097のファステストラップを記録した。3位はルクレール、4位リカルド、5位のリス、6位オコン、7位ガスリー、8位アルボン、9位ストロール。10位にボッタスを抑え切ったベッテルという結果になった。
(Mineoki Yoneya)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |