F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

ホンダ甘口コラム ブラジルGP編:無駄にはなっていないチャレンジ

2015年11月22日

 復活したマクラーレン・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のマクラーレン・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回はフェルナンド・アロンソのパワーユニットにトラブルが多発したブラジルGPを、ふたつの視点でジャッジ。

甘口編
無駄にはなっていないチャレンジ


 標高が高く、ターボチャージャーとMGU-Hの性能が一層問われるメキシコGPを除けば、デプロイメントの心配があまりないアメリカGPとブラジルGPは、ホンダにとって楽しみにしていたグランプリだった。現にアメリカGPでは序盤がウエットコンディションだったこともあり、レースでは2台そろって入賞圏内を走行していた。

 しかし、レース終盤にフェルナンド・アロンソのパワーユニットにデータ上、燃料系(インジェクター)の不具合が発見され、出力が落ちてペースダウンせざるを得ず、11位に終わった。メキシコGPではレース前に回転センサーのトラブルに見舞われ1周目にリタイア。アメリカGPで走ったパワーユニットで臨んだブラジルGPのフリー走行ではエンジンから炎を吹き出してストップ。メキシコGPで使用したパワーユニットに交換して臨んだ予選では、突然水温が上昇したために、ピットからの指示でアロンソはタイムアタックを中止し、マシンをコース脇に止めた。

 トラブルが多発したことだけを見れば、ブラジルGPでのホンダに明るい材料はない。イギリスのメディアからも「スペック4になっても、まだ信頼性に問題が出ている状況をどう思うか?」と厳しい質問が新井康久総責任者に浴びせられていた。その件に関しては、「我々の実力が足りていない」と新井総責任者は素直に実力不足を認めていた。

xpb

 だが、同じスペック4のパワーユニットでもジェンソン・バトンのほうにはまったく問題が起きていない。また、予選後にレースへ向けてアロンソのマシンに搭載した新しいパワーユニットもスペック4だったが、問題を発生させることなく完走している。問題が起きた2基のパワーユニットは現在、さくらの研究所へ送り返されて、さまざまな解析が行われている。その原因はまだ明らかにされていないが、バトンのパワーユニットにも、そして日曜日のアロンソのパワーユニットにも問題が起きていないことを考えると、スペック4として新しくなったパーツの一部に製造上の問題があった可能性が高い。

 それではなぜ、アメリカGP、メキシコGP、ブラジルGPとアロンソのパワーユニットにだけトラブルが連発したのか。それはこの2基はすべてロシアGPのフリー走行時に一旦走らせて、プールしておいたパワーユニットだった。ロシアGPではアロンソの分しか間に合わず、バトンがスペック4を走らせたのはメキシコGPだった。もし、アロンソのパワーユニットのトラブルの原因が、本当に製造上の問題だったとすれば、それは根本的な問題というより、なんらかの人為的ミスを犯していた可能性が考えれる。

 もし、仮にそうだとしても、そのチャレンジは無駄にはなっていない。ロシアGPで出力がアップしていることが確認できたからこそ、メキシコGPに向けてホンダはバトン用のパワーユニットの準備に取り掛かることができたからだ。
 ブラジルGPではルノーが11ものトークンを使用してきたにもかかわらず、そのパワーユニットを試したレッドブルのリカルドは「馬力向上が確認できなかった」とコメントしている。

 トークンを使用しても性能向上が確認できないパワーユニットより、性能向上できたのに、急いで作ってしまったために問題が起きたパワーユニットのほうが可能性はある。51周目にユーズドのソフトタイヤに交換したバトンと、52周目ユーズドのソフトタイヤに交換したリカルド。ふたりがその後叩き出した自己ベストタイムは、ともに1分16秒3だった。まだまだメルセデスという頂点までは遠いが、確実に前進していることを実感できたブラジルGPだった。

ホンダコラム 辛口編:苦しみの種は尽きない

(尾張正博)

…記事の続きは会員登録後閲覧できます。

※こちらの記事は一般&プレミアム会員専用のコンテンツとなります。
一般+プレミアム会員一括登録
※会員登録後、本文記事が表示されない場合、ページの更新をお試しください。



レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP