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“モナコ・マスター”セナが起こした魔法(1)6勝を可能にした恐るべき正確さ。4ミリのコースの変化を察知

2020年5月25日

 伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナはモナコGPで圧倒的な強さを誇っていた。10回出場したなかで1987年、1989年、1990年、1991年、1992年、1993年の6回優勝を達成、これは歴代最多記録だ。ポールポジションも5回獲得しており、1994年のサンマリノGPで命を落とさなければ、その記録をさらに伸ばしていたことだろう。本来モナコGPが開催されるはずだったいま、“モナコ・マスター”と呼ばれるセナが見せた魔法を振り返ってみたい。


 セナにとってF1モナコGP初参戦は1984年。トールマンでデビューしたばかりのセナは、予選13番手を獲得。雨の決勝で目の覚めるような速さを見せ、オーバーテイクを繰り返し、19周目にはニキ・ラウダのマクラーレンを抜いて2番手に浮上した。


 首位を行くアラン・プロストとの差を縮め始め、その背後に迫った32周目、オフィシャルを務めたジャッキー・イクスが、悪コンディションのためレース中止を決定。規則により、レース結果は中止される前のラップの順位が採用され、プロストが優勝、セナは2位という結果になった。


 このレースが赤旗中止にならなければセナが優勝していたという説もあるが、それは事実ではないかもしれない。セナは縁石にヒットし、サスペンションにダメージを負っていたため、もしレースが中止されていなければ、リタイアしなければならなかったかもしれないといわれている。

1984年トールマン時代のアイルトン・セナ
1984年トールマン時代のアイルトン・セナ

 いずれにしても、1984年モナコで明らかになったのは、セナがF1史上最も優れたドライバーのひとりであるということだった。F1でわずか6戦目のドライバーが、悪コンディションのモナコで2位を走ったのだ。雨のストリートサーキットで速く走るために必要なスキルと正確さを持ち合わせたドライバーであることは間違いなかった。

■「僕はミスをしていない。壁の方が動いたんだ!」クラッシュ後の発言にチームが驚愕

 セナが挙げた41勝のなかには、モナコ以外にデトロイト、フェニックス、モントリオール、アデレイドといったストリートサーキットでの優勝が数多く含まれている。アメリカでは1986年から1991年に5回勝ち、カナダでは2勝を挙げている。


 1984年にトールマンでセナのレースエンジニアを務めていたパット・シモンズは、セナは信じられないほど正確な走りをするドライバーだったと振り返っている。それを思い知らされたのは、ダラスグランプリでの出来事だった。

1984年トールマン時代のアイルトン・セナ
1984年トールマン時代のアイルトン・セナ

「ダラスは、昔ながらのストリートサーキットで、コースが大きなコンクリートブロックに囲まれていた」とシモンズ。


「きわめて厄介なサーキットだった。モナコがスムーズに思えるほど路面はバンピーだった」


「予選で好結果を出したセナは、決勝では一時4番手を走っていたが、ウォールにヒットし、そのダメージでリタイアしなければならなかった」


「ピットに戻ってきた彼は、自分がウォールに衝突したことにとてもショックを受けているようだった。戻ってきてまず口にしたのは『僕がミスをしていないことは分かっている。壁が動いたに違いない』という言葉だった」


「20トンのコンクリートの壁が動くなんて、考えられない。だが彼は現場まで行って確かめようと言って聞かなかった」


「実際に現場に行ってみると、本当に壁が動いていた。誰かが手前のブロックに接触したことで、その隣のブロックが4ミリほどずれており、ふたつのブロックがスムーズにつながっておらず、段差ができていたのだ」


「この出来事で、彼がどれほど正確に走っているのかを思い知った。あの時はまだF3からF1に昇格した最初の年だったというのも驚きだ」


(パート2に続く)



(grandprix.com/autosport web)




レース

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スプリント予選 16:30〜17:14
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4/21(日) 決勝 16:00〜


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