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FIAトッド会長、さらなる予算上限の引き下げに反対「小規模チームが上位と戦えるようにはならない」

2020年4月15日

 FIAのジャン・トッド会長は、F1の予算制限の上限引き下げを支持しているが、さらなる引き下げを行ったとしても、小規模チームがF1の大規模チームと同じレベルで競争できるようにはならないと主張している。


 F1、FIA、各チームは今週再度会合を持ち、2021年の予算制限にさらに変更を加えるかどうかを検討する。予算制限は、最近になって1億7500万ドル(約187億円)から1億5000万ドル(約160億円)に引き下げられている。


 フェラーリとレッドブルがこれ以上の削減に反対している一方で、小規模チームは1億3000万ドル(約139億円)レベルまでの譲歩を引き出そうとしているが、一部のチームは1億ドル(約107億円)と大幅な削減を働きかけている。


 新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた混乱と、今後の展開が不確実であることから、F1は危機の影響をできるだけ軽減することを余儀なくされている。


 トッドは、危機の最中にあってもF1に留まるように、マニュファクチャラーを説得していくつもりだ。来年の予算制限がどのレベルに設定されようと、それがF1の利益に役立つとトッドは確信している。


 だがトッドは、F1の小規模チームが取り返しのつかない損害を被った場合、将来さらなる変更を行う可能性を否定していない。


「(最後の会議を終えて)調整が必要になる唯一の筋書きは、一部のチームを失うことになる時だけだ。それを無視することはできない」とトッドは『Auto Motor und Sport』に語った。


「そのような状況にならないことを望んでいる。そして我々は商業権保有者とともに根本的なことについて自問しなければならないだろう。F1は将来どのような形をとるべきか、といったことなどについてだ」


「最悪のシナリオでは、F1は今日の体制を続けることはもはや不可能となるかもしれない」

ジャン・トッド(FIA会長)
2019年F1第15戦シンガポールGP ジャン・トッド(FIA会長)


 長年にわたり、F1の中団チームは、トップ3チームとのパフォーマンス差をなくすことはもちろんのこと、縮めることにさえ苦戦してきた。多くの人々が、予算制限の上限を下げることで、公平な機会が与えられると期待しているが、トッドはそのような展開は幻想にすぎないだろうと考えている。


「その見解については理解しているが、私は奇跡が起きるとは考えていない」


「大規模チームと小規模チームの差は縮めなければならないが、夢を見始めるようなことをしてはならない。小規模チームが常に大規模チームと対等に戦えるようなことには決してならないだろう」


「我々は我々自身に対して嘘をつくべきではない。1億2000万ドル(約129億円)や、1億3000万ドル(約139億円)、1億4000万ドル(約150億円)について話すとすれば、それは例外なしの予算制限だ。大規模チームにとっては、予算制限額の100パーセント以上が対象になる」


「そして予算制限が引き下げられたが、さらに上限額を引き下げたいという希望が表明された。だが私はそれには反対だ」


 トッドは、チームが公平な立場に立てる予算制限レベルを予測できるのだろうか?


「妥当な数字は、今日のF1を忘れて、白紙の状態から始めなければ出すことはできない」


「予算制限が例外なしの5000万ドル(約54億円)だったら、何事も現状のようにはいかないだろう」


「F1は完全に新しいものになるだろう。スーパーF2だ。だがF1が現在のような構造となっていることから、新たなスタートを切ることは不可能だ。我々は大規模チームも含めて、多くのチームを失うことになってしまう」



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)




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