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メルセデスW11は『ロー・レーキ』の抱える弱点をDASでカバーも、PUに懸念残る/全チーム戦力分析(2)

2020年3月2日

 スペインのバルセロナ-カタロニア・サーキットで行われた2回のテストを終えて、各チームの新型マシンに様々な特徴が見えてきた。今回は2020年F1開幕戦オーストラリアGPに向け各チームの実力を数値化して分析。連載第2回はメルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツだ。


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■メルセデスのチーム戦力:100点満点中93点
■テストでの最速タイム:1分15秒732 1番手/全10チーム中(バルテリ・ボッタス/C5タイヤ/テスト第1回目・最終日午前)
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 F1史上最多となる6年連続でドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権のダブルタイトルを獲得しているメルセデス。2020年の新車『W11』は、6連覇してきたコンセプトを継承したマシンとなっている。


 その最大の特徴は、ほかの多くのチームが採用している『ハイ・レーキ』コンセプトではなく、レーキ角が小さい『ロー・レーキ』コンセプトを採用していることだ。


 このコンセプトは車高の変化が小さく、安定してダウンフォースを得られる点にある。一方で、ダウンフォースをフロアだけでなく、前後のウイングでも得ようとするため、空気抵抗が大きいドラッギーなマシンとなってしまう。

全チーム戦力分析:レッドブル・ホンダ編
“ロー・レーキ”コンセプトを継承したメルセデスの2020年型マシン『W11』


 そこでメルセデスは今年、新たなデバイスを新搭載してきた。それがDAS(デュアル・アクシス・ステアリング=2軸ステアリング)と呼ばれるシステムだ。ドライバーがステアリングを前後に押し引きすることで、フロントタイヤのトー角が変わるこのシステムは、ストレート上でステアリングを引いてトー角をトー・アウト(先端が外に向いている状態)からトー・ゼロ(トー角が0度。つまり進行方向とタイヤの方向が平行)にすることで空気抵抗を軽減させるというメリットがあると見られている。

全チーム戦力分析:レッドブル・ホンダ編
新たに導入された『DAS』システム。ステアリングを前後に動かすことで、フロントタイヤのトー角が変わる。


 このシステムを確認するため、メルセデスは1回目のテスト開始直後から、精力的に走り込みを行った。それはロングランによる耐久性のテストというよりは、DASシステムを最適化するためにミドルランを繰り返すというもので、初日からトップタイムを出しに行ったのも、DASのパフーマンスを確認するためだったと思われる。

全チーム戦力分析:レッドブル・ホンダ編
第1回目のテストから精力的に走り込んだメルセデスF1

全チーム戦力分析:レッドブル・ホンダ編
第1回目のテストから精力的に走り込んだメルセデスF1


 その結果、DASを搭載したメルセデスは6日間で唯一、1分15台をテスト1回目の最終日にバルテリ・ボッタスがマーク(1分15秒732)。結局、これが今回のプレシーズンテストの最速タイムとなった。


 この速さはDASに頼ったものだけでなく、リヤサスペンションのロアの前方アームを大きく後退させたり、2回目のテストにはセンターピラーが2本ではなく、1本のリアウイングを試し、ドラッグの比較確認も行うなど、空力面での進化を遂げていることも忘れてはならない。

全チーム戦力分析:レッドブル・ホンダ編
『W11』のリヤウイング


 このダントツのトップタイムからもわかるように、メルセデスのW11が今年もタイトル争いの中心にいるマシンであることは間違いないだろう。


 メルセデスのパワーユニットは、テスト1回目と2回目にウイリアムズでも発生。テストはトップタイムで終えたものの、開幕までに残された課題は少なくない。



(Masahiro Owari)




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