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2025年F1パワーユニットは2ストローク化の噂。“うるさくて臭い”エンジンがF1に乗りうるワケ

2020年1月20日

 2025年に導入される新F1パワーユニット(PU)は、1.6リッターV6エンジン+ハイブリッドの現行方式よりも、むしろダカールラリーの2輪部門で使用されているエンジンに近いものになるかもしれない。これはF1のチーフ・テクニカルオフィサーを務めるパット・シモンズがブリティッシュ・モータースポーツ・インダストリーの会合で語ったものだ。


 2ストロークエンジンに対する評価は、とくにヨーロッパでは芳しいものではない。騒音が大きく、排ガスは臭い。もっぱら小型のスクーターや芝刈り機に用いられる型式である。


 しかし、2ストロークエンジンには、他のエンジンにはない利点もある。それはクランクシャフトが1回転するごとに、気筒内で燃焼が発生するという点だ。そのため、従来の4ストロークエンジンよりも高出力かつ、小型・軽量に設計できる。


 なおKTMは最近、二輪車向けに新型の2ストロークエンジンを発表。これは旧世代のそれよりも環境性能、効率ともに段違いに向上している。


 今回シモンズが明らかにした“F1PUの2スト化構想”において特筆すべき点は、何と言っても“対向ピストンエンジン”という方式になることだ。


 これは1気筒あたりピストンをふたつ持ち、それが文字どおり向かい合っているという構造をしており、シリンダーヘッドは存在しないというユニークなものだ。今日では、この方式のエンジンは大型のディーゼルエンジンか、軍用車両でしか採用されていないため、馴染みの薄い人が多いと思う。


「対向ピストンエンジンの技術を採用すべきときが来ていると感じている。ロードカーの熱効率も、近年では50%前後にまで上昇している。近年の直噴エンジンの技術や、過給器の採用、そして新たな点火システムにより、非常に効率に優れ、環境にも優しい2ストロークエンジンが実現可能だ。私は新たな2ストロークエンジンの未来に可能性を感じている」と、シモンズは熱心に語った。


 シモンズは、新世代F1PUのアウトラインを明らかにした。排気量は現状よりもさらに少なく、850ccになる見とおし。当然、内燃機関は継続して採用されるが、ハイブリッドシステムが強化され、より高出力なものになるだろう。


 また、シモンズは昨年、F1においても合成燃料の使用を推し進めていく方針であることを明らかにしているが、2025年のPUがF1における化石燃料を使用する最後のシステムになると思われる。シモンズは次のように語る。


「次のPUが液化炭化水素燃料を使用する最後のものとなるかもしれない。かなり高い確率で内燃機関エンジンを使用し続けるだろうが、その燃料は水素に転じる可能性がある」


 現在、自動車業界は電気自動車(EV)への方針転換に注力しているが、F1に参戦するチームは盲目的なEV信仰は間違いであると捉えている。合成燃料とダウンサイジングターボエンジンを組み合わせたF1マシンのほうが、フォーミュラEマシンよりも“グリーン”だというのだ。


「私は内燃機関には今後も長い未来が存在すると確信している。何もEVに落ち度があるわけではなく、それらが万人にとっての最適解にならないのには理由があるのだよ」


 シモンズとチームは現在、2025年からのPUの構想を練っている最中だ。しかし、それは2021年からの空力に関するレギュレーションと同じ筋道をたどることになりそうだ。チームとマニュファクチャラーはこの規則の策定に大いに関わったが、それはレギュレーション策定を大きく遅らせる結果を招いた。新世代PUも装いを新たにした車体とともに2021年に導入される予定だったが、結局チームとマニュファクチャラー、FIA、F1は新ルールをまとめ上げることができなかった。


 したがって、新たなPUのビジョンは、どんなに早くとも今年後半にならないと見えてこないだろう。




(Text:Sam Collins)




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