F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

【トロロッソ新人/今日のアルボン(1)】「いきなりのスピンは絶対に避ける」と自分に言い聞かせてのスピン……愛すべき好青年キャラ

2019年2月20日

 トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンが本格的にF1マシンを走らせるのは、この日が初めてだった。本来なら2018年11月のアブダビテストで、記念すべきF1初体験を果たしていたはず。しかしすでに決まっていたフォーミュラEチームとの契約を解消するための交渉が長引き、残念ながら参加できなかった。


 今回のバルセロナテスト直前にはイタリア・ミサノで新車のシェイクダウンを行ったが、それは文字通り転がす程度だった。それゆえこの日の緊張感は、今まで感じたことのないほど大きなものだったという。


 コクピットに乗り込んだアルボンは、「いいか、アレックス。走り出していきなりのスピンだけは、絶対に避けるんだぞ」と、自分に言い聞かせたそうだ。ところがインスタレーションに出ていったまさにその周回で、アルボンは見事にスピンを喫してしまった。高速右コーナーのターン4を立ち上がろうとして、グラベルに飛び出したのだ。幸いマシンにダメージはほとんどなかったものの、ガレージに戻って来た直後はさすがにバツの悪そうな表情だった。


「路面が冷えきってて、まるで氷の上を走ってるみたいだった。こんな時にゆっくり走ると、よけいタイヤが冷えてしまう。それでスピードを乗せたんだけど、修正する間もなく挙動を乱してしまった」


 それでもマシンのチェックを終えて走行を再開してからは、「すごく順調だった」とアルボンは言う。


「気温が上がるにつれて路面コンディションもよくなって、リズムに乗って走れるようになったんだ。ずっとスムーズだった」

【アルボン密着(1)】アルボン、F1初走行でスピンの”洗礼”を受ける。それでも笑みを抑えられなかった理由とは
F1バルセロナテスト2日目 アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)


 その間、1、2度スピンしかけたが、それは新車の限界を探ろうとしたためで、マシンは十分にコントロール下にあったという。セッション終了間際にはソフト寄りのレッドコンパウンドで1分19秒301の自己ベストをマーク。132周を走って、総合4番手で初テストを終えた。


「(マシンが)重い状態での長いスティントも2回できた。チームも最終的には、僕の走りに満足してくれたんじゃないかな」

■“人生最大”の経験をしたアルボン、笑みを抑えられず


インスタレーションでスピンを喫し、グラベルにスタックしたアレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
インスタレーションでスピンを喫し、グラベルにスタックしたアレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)

 コクピットから降りたアルボンは、「顔がニヤつくのを抑えられなかった」という。いきなりのスピンという洗礼は受けたものの、それほどF1初走行は楽しい体験だったということだ。すぐあとに行われた囲み取材でも、アルボンはずっとニヤニヤしっ放しだった。


「今日の午前中が特にそうだったけど、実際のF1マシンの凄さに圧倒されてしまったよ。特に高速コーナーでのGの凄さは、シミュレーターでは絶対に味わえないものだった」


「今日の経験は僕の人生の中で、最大、最高のものだったよ」と語るアルボン。タイ人としては、あの伝説的なF1ドライバー、プリンス・ビラに次ぐふたり目となる。GP3時代からその走りをずっと観て来た者として、彼の実力は今のF1で十分に評価されるべきレベルにあると信じている。そして何より、愛すべき人柄の青年でもある。日本のF1ファンにも、これからどんどん注目される存在になってほしいと思っている。

【アレクサンダー・アルボン密着(1)】F1初走行でスピンの”洗礼”。それでも笑みを抑えられなかった理由とは
F1バルセロナテスト2日目 アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)



(Kunio Shibata)




レース

4/19(金) フリー走行 12:30〜13:30
スプリント予選 16:30〜17:14
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP