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トロロッソ・ホンダ甘口コラム シンガポールGP編:信頼性の向上をみせるホンダPU

2018年9月25日

 トロロッソ・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のトロロッソ・ホンダのコース内外の活躍を批評します。F1第13戦ベルギーGPとイタリアGPを、甘口の視点でジャッジ。

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 相性のいいサーキットのはずだったマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで行われたシンガポールGPで、トロロッソ・ホンダは予想外の苦戦を強いられ、ピエール・ガスリーが14位、ブレンドン・ハートレーは17位に終わった。

 ポイントは獲得できなかったが、まったく収穫がなかったわけではない。

 ひとつ目の収穫は、マシンの信頼性が向上していることが確認されたことだ。車体側で信頼性に問題が生じたのは、ハートレーのフロントサスペンションにトラブルが起きた第10戦イギリスGPのフリー走行3回目までさかのぼる。それ以外はこの5戦でトロロッソのマシンにはトラブルは発生させていない。

 2つ目の収穫は、なかなか本来のパフォーマンスを発揮できない中、ドライバーが致命的なドライビングミスを起こしていないことだ。ハートレーのクラッシュというと、0周リタイアに終わったイタリアGPがあるが、これはスタート直後の避けられないアクシデントだった。またハートレーはイギリスGPでもクラッシュしているが、これはマシントラブルだった。

 チームメイトのガスリーもドライビングエラーの少ないドライバーだ。最近見舞われた事故はイタリアGPでのフェルナンド・アロンソとダニエル・リカルドとの接触事故があるが、これはミスというよりレーシングアクシデント。

 2人のドライバーが最後にミスを犯したのは、ガスリーがイギリスGP。セーフティカー明けの再スタートでセルジオ・ペレスにオーバーテイクを許した後、接触しながら抜き返して2点のペナルティポイントをもらっている。ハートレーはフリー走行で自損事故を起こした第5戦スペインGP以来、明らかなドライビングミスは起こしていない。

 こうした安定した走りによって、PUの信頼性が実戦で確認できた。これが3つ目の収穫だ。ホンダが新しいエンジン(ICE)を最後に投入したのは、ハートレーに関してはフロントサスペンションのトラブルに見舞われて大クラッシュした際に新たいユニットに交換したイギリスGPだ。

 このPU交換作業の際に問題があったために、ハートレーはレースをリタイアしたが、これは信頼性の問題ではなく、組み付け作業の不具合が原因で、それ以降は2台そろってPUにトラブルは起きていない。

 ハートレーがその前にエンジンを交換したのは、第9戦オーストリアGP。ただ、これもトラブルがあったことが理由ではなく、予選が19番手に終わったことによる戦略的な交換だった。

 ガスリーに関しても、最近エンジンを交換したのは第11戦ドイツGPの予選後で、その前は第7戦カナダGPの予選後に新スペックを入れている。つまり、ガスリーの4基目のエンジンは4戦分以下しか使用しないで、ドイツGPから5基目に交換された。

 またハートレーはカナダGPからオーストリアGPの3戦分以下で4基目から5基目に交換された後、5基目が次のイギリスGPのクラッシュで6基目に交換されていた。

 つまり、ホンダのスペック2エンジンは今シーズンはまだ4戦以上を連続して使用していなかった。そのスペック2をホンダは2台にドイツGP、ハンガリーGP、ベルギーGP、イタリアGP、シンガポールGPの5戦で使用。しかも、まったくトラブルを起こさなかった。

 この5戦にはハンガリーGPやシンガポールGPというエンジンの全開率が低いグランプリもあるが、同時にベルギーGPやイタリアGPという21戦中、最も全開率が高い2つのグランプリだけでなく、比較的エンジンへの負荷が高いドイツGPもあったことを考えると、この5戦を1基のエンジンで走りきったことは大きな収穫だった。

 そして、PUの信頼性があって、マシンがトラブルに見舞われることなく、走り込めたおかげで、トロロッソ・ホンダというパッケージとしての課題がシンガポールGPで露呈したのである。これが4つ目の収穫だった。

 これらの収穫をぜひ、ポイント獲得に生かしてほしい。

(Masahiro Owari)




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