最新記事
- 時間との戦いの中でシャシーを修理するウイリ...
- ホンダ、2026年F1参戦に向けた新たなパワーユ...
- 【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第3戦】...
- フェラーリF1は予選もレースペースも改善「マ...
- アストンマーティン、アロンソの20秒ペナルテ...
- リカルド、ポジティブな姿勢を崩さず「自分と...
- 実力を発揮できなかったレッドブルと“強み”を...
- 2025年のラインアップを決めるのに時間をかけ...
- 「フェラーリとマクラーレンは一歩先を進んで...
- 2024年F1第3戦オーストラリアGP決勝トップ10...
- 2024年F1第3戦オーストラリアGP決勝トップ10...
- 岩佐歩夢、RBからF1日本GPフリー走行出走が決...
F1 Topic:トロロッソ・ホンダが得意のシンガポールで失速したふたつの理由
2018年9月21日
F1第12戦ハンガリーGPとともに、相性がいいと思われた第15戦シンガポールGPで、トロロッソ・ホンダは予選でQ3に進出できなかっただけでなく、レースでも一度もポイント争いをすることなく、無得点に終わった。
なぜ、トロロッソ・ホンダはマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで失速したのか。考えられる原因は、ふたつある。
ひとつは、空力が非常にピーキーな特性を持ったトロロッソの車体が、改善されていなかったことだ。シンガポールGPの予選でQ2に進出したピエール・ガスリーがQ1のタイムを更新できなかった一因を「風の影響で結構バランスが変わってきてしまったようです」と、ホンダの副テクニカルディレクターを務める本橋正充が説明している。
ピーキーな空力は、風による影響だけでなく、コース特性による影響も受けていた。第2戦バーレーンとハンガリーはしっかりと止まって、方向転換した後にアクセルを踏んでいくタイプのコーナーが多いのに対して、シンガポールはブレーキングしながらステアリングを左右に切り返すコーナーが多い。
レースでピエール・ガスリーがザウバーのシャルル・ルクレールに一気に追い詰められた10、11、13コーナーがそうだ。いずれもコーナーが進入が進行方向と逆に少しだけ向いているため、ブレーキングしながらステアリングを切り返さなければならない。このような状況では前方からの風の流れが変わるため、リヤのダウンフォースが抜けやすい。
このエリアの空力の開発がトップチームとそれ以外のチームでは差があることも事実だ。またトロロッソはオーストリアGPで投入した新しいフロントウイングが実走で機能せずにお蔵入りとなり、その後、新しいフロントウイングが投入されていない点も気になる。これは2018年マシンの空力の根本的な部分に問題があったのか、あるいは2018年の開発をすでに終了した可能性がある。もし、そうなら、今後も同じような状況に陥った時、同様に苦しむことが考えられる。
ふたつ目の理由は、タイヤだ。
じつはシンガポールGPでトロロッソは、かなりアグレッシブなタイヤ選択をしていた。シンガポールGPで使用されたコンパウンドのタイヤは、ソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトの3種類だが、トロロッソはソフトを1セットしか選択してなかった。
■トロロッソ・ホンダのピーキーなマシン性能に振り回されたピエール・ガスリー
ふたりのドライバーともにソフトを1セットしか選択肢なかったのは、トロロッソのほかにフェラーリしかいない。1セットしか持って来ていないため、金曜日のフリー走行でのロングランはウルトラソフトで行うしかない。したがって、セットアップもウルトラソフトに合わせて施される。ソフトとウルトラソフトではコンパウンドが違うだけでなく、タイヤの特性が異なる。これがハイパーソフトを履いたときのマシンの挙動に影響を与えたのではないか。
シンガポールGPの予選後、田辺豊治F1テクニカルディレクターは次のようにコメントしていた。
「ハイパーソフトを予選でうまく使えませんでした。フロントが温まりにくく、リヤがオーバーヒートしやすかった。そのため、セクター1、2、3でどんどんクルマの挙動が変っていって運転しにくいクルマになってしまったようです」
調子が良かったハンガリーGPにはハイパーソフトは投入されておらず、ガスリーはウルトラソフトとソフトで6位に入った。7位に入ったモナコGPにはハイパーソフトが投入されていたが、ロングランはスーパーソフトだった。今回のシンガポールGPのようにハイパーソフトでスタートし、ウルトラソフトでロングランしたレースは今シーズンこれまでなかった。アグレッシブすぎるタイヤの使い方がピーキーなマシン特性をより運転しづらいものにしてしまった可能性が高い。
シンガポールGPは残念な結果に終わったトロロッソ・ホンダ。しかし、シーズンはまだ終わっていない。この教訓を今後に生かすためにも、シンガポールGPのデータを解析し、打開策を早く見つけてほしい。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
3/22(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
3/23(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
3/24(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 51 |
2位 | シャルル・ルクレール | 47 |
3位 | セルジオ・ペレス | 46 |
4位 | カルロス・サインツ | 40 |
5位 | オスカー・ピアストリ | 28 |
6位 | ランド・ノリス | 27 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 18 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 16 |
9位 | ランス・ストロール | 9 |
10位 | ルイス・ハミルトン | 8 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 97 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 93 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 55 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 26 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 25 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 6 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第3戦 | オーストラリアGP | 3/24 |
第4戦 | 日本GP | 4/7 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |