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【トロロッソ・ホンダ/ガスリー密着コラム】原因不明のパフォーマンス不足に苛立つガスリー

2018年9月21日

 2018年、ホンダF1はトロロッソと組んで新しいスタートを切った。新プロジェクトの成功のカギを握る期待の新人ピエール・ガスリーのグランプリウイークエンドに密着し、ガスリーとトロロッソ・ホンダの戦いの舞台裏を伝える。


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 シンガポールのピエール・ガスリーは、かなり苛立っていた。


 この市街地サーキットなら好成績が期待できると、意気揚々と乗り込んできたガスリー。ところがトロロッソ・ホンダは、初日フリー走行からまったく速さが発揮できない。大幅にセッティングを変えた二日目も、予選Q1でようやく見えかけた復活の兆しが、Q2ではすっかり影を潜めてしまう。その結果、Q2進出組では最下位の15番手に終わった。


 そこで決勝レースでは、ギャンブルに打って出た。大部分のドライバーがウルトラソフトを選択するなか、ハイパーソフトを履く起死回生の策に出たのだ。スタートで一気に順位を上げ、そこからできるだけタイヤ交換を遅らせて、ライバルたちがピットインする間にポイント圏内に滑り込む作戦だった。


 モナコGPでも同じハイパーソフトを履き、スタートダッシュこそできなかったものの、その後は安定したペースを維持し、最長スティントを走り切って7位入賞を果たした。GP2時代に気まぐれなピレリの特性にさんざん苦労して以来、タイヤを長く持たせる技術は誰にも負けないという自負があった。


 得意のスタートをミスなく決め、一気にザウバーの2台を抜き去っていったガスリー。前方ではエステバン・オコンが同士討ちで早々にリタイアしており、早くも12番手に上がった。ポイント獲得の可能性が、俄然現実味を増した。

■13位完走が精いっぱいだったガスリー

 ところが持つはずのハイパーソフトが、周回ごとにどんどん劣化していった。モナコではまったく見られない症状だった。すぐにでもピットに向かいたかったが、1ストップでレースを走り切る作戦を遂行するには、最低でも25周前後ハイパーソフトで周回し続けなければならない。


 18周目には9番手まで順位を上げていたが、ペースはどんどん落ちて行く。ピットイン直前にはスタートダッシュでかわしたシャルル・ルクレールにも抜き返され、26周目にようやくタイヤ交換。ウルトラソフトに履き替えてコース復帰した際には、18番手と大きく後退した。


 すぐに周回遅れとなり、ひっきりなしに青旗が振られることもあって、いっそうペースが安定しない。ウルトラタイヤの持ちも決して良くなく、さらに燃費も厳しくなった。背後からは、ウイリアムズのランス・ストロールが猛追してきた。


 チームからは「燃料とタイヤをセーブしろ」という指示と、「プッシュだ」という指示が矢継ぎ早に飛んだ。「一体、どっちにしたらいいんだ!」と、ガスリーは思わずキレかかった。


 すぐ前を走っていたロマン・グロージャンが青旗無視で5秒ペナルティを受けて順位を落としたが、ガスリーは首位のルイス・ハミルトンから周回遅れの13位完走が精いっぱいだった。


 レース直後にはホスピタリティの中で、フランツ・トスト代表とガスリーがエンジニアを交え、長く話し込む姿が見られた。

決勝後、エンジニアを交えフランツ・トスト代表と話すガスリー


 苦戦が覚悟された高速パワーサーキットのスパ、モンツァでは高い戦闘力を発揮し、一転してシンガポールは低迷から脱出できないままレースを終えた。


 今のトロロッソ・ホンダの一番の問題は、好調でも不調でも、その理由がしっかり分析できていないことだ。ガスリー自身も、「わからない、理解できないことが、一番フラストレーションが溜まる」と言っていた。


 車体のアップデートは今季もう1回予定されているようだが、ガスリーは車体の進化にいまひとつ懐疑的な印象だった。一方でパワーユニットの改良版投入は、「1戦でも早くやってほしい」と、待ち切れない風だ。予定では次戦ロシアで、比較的大幅なパワーアップ仕様がデビューするかもしれない。



(取材・文 柴田久仁夫 Kunio Shibata)




レース

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