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ルノーPUを「格下カテゴリーのエンジン」と言い切ったフェルスタッペンの矜持【今宮純のF1ドライバー採点】

2018年7月12日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は第8戦フランスGP、第9戦オーストリアGP、第10戦イギリスGPの3連戦分だ。
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☆ ニコ・ヒュルケンベルグ

ニコ・ヒュルケンベルグ
ニコ・ヒュルケンベルグ


 南フランスから北上した3連戦、その出発点フランスGPはルノーの最重点イベント。マルセイユではフェスを開催、ポール・リカールには多数の招待客やVIPが来場。彼らの前でチームメイトとともにダブル入賞を決めたヒュルケンベルグ、今季は完走レースすべてグリッド順位と同じかそれ以上のフィニッシュしている。


 イギリスGPでも予選11番手から決勝6位に。現在コンストラクターズランキング4位のルノー、昨年のルノーは第10戦時点でランキング8位(26点)。今年はすでにふたりのドライバーが70点を獲得しており、実に“44点増”だ。


☆ ピエール・ガスリー

2018年F1第10戦イギリスGP ピエール・ガスリー
2018年F1第10戦イギリスGP ピエール・ガスリー


 中団チームの真ん中あたり、苦戦続きのトロロッソ・ホンダ。チームメイトのブレンドン・ハートレーはこの3戦とも最後列(ピット・スタート)、つまりガスリーの孤軍奮闘だった。密集状態で接触もありながらオーストリアGP11位、イギリスGP13位(10位フィニッシュもペナルティで降格)はまさに“悪戦・健闘”。


☆ バルテリ・ボッタス

2018年F1第9戦オーストリアGP決勝:ギヤボックストラブルでリタイアとなったバルテリ・ボッタス
2018年F1第9戦オーストリアGP決勝:ギヤボックストラブルでリタイアとなったバルテリ・ボッタス


 ひとこと、レース運がない……。明らかに昨年よりマシンを自分のものにしてきている。オーストリア連続PPがその証、またタイヤのケアもハミルトンよりうまくコントロールできているのだが……。


☆☆ エステバン・オコン

ケビン・マグヌッセン 2018年F1第10戦イギリスGP


 7戦連続セルジオ・ペレスに予選で先行、貴重なポイントを重ねている。アップデート導入が進まないなか、タイヤ・マネージメントが最近とても冴えている。超高温シルバーストーンではミディアムで最長33周、アロンソを抑えきって7位でフィニッシュ。


☆☆ ケビン・マグヌッセン
 今年ブリヂストンを退社して、ハースに加入した富塚裕エンジニア(タイヤ担当)を彼は誉めている。しばしばラフなプレーをまわりから指摘されているがこの3連戦はすべて入賞、そればかりか初戦オーストラリアで起きたホイールトラブル以外の9レースで完走中。これがロマン・グロージャンに内なるプレッシャーの塊となっているのかも。


☆☆☆ キミ・ライコネン

 メディアから発せられる“ノイズ”などは、年中行事みたいなものと割り切っている。来季の動向が騒がれたこの3連戦期間を粛々と走り、表彰台に立つ。ニコ・ロズベルグが言ったように、「キミは1周目に(意図的に)無謀なことはしない」のだ。だからやや“引き気味”になり、順位を下げることが多いのだが。イギリスGPでハミルトンに追突、ミスを認める発言はいさぎよし。


☆☆☆ ルイス・ハミルトン

 ポール・リカールは“快勝”。レッドブルリンクは“破滅”。そしてシルバーストンではスタートを出遅れ、ライコネンと接触スピン、18番手から“反撃”。この3レースで3つのストーリーを演じたハミルトン、皮肉ではなくコース上のエンターテインメントだ。シリーズ首位交代が数回起きている今年、キャリア12年でもっとも烈しいシーズンに彼はいる。


☆☆☆ フェルナンド・アロンソ

 3連戦どころではない。5月モナコGPからル・マンのテストデイを含め、実に7ウイークを戦ってきた。その肉体疲労や心労などは想像を絶する。オーストリアはピット・スタート→決勝8位、イギリスも予選13番手→決勝8位、やっと今週はゆっくり休めるので7月29日の37歳誕生日の“前祝い”か?


☆☆☆☆ シャルル・ルクレール

 いまやモナコの“星の王子さま”。予選アタックではきっちりセクター自己ベストをそろえる。レースでは周囲の動きをサキヨミするかのようにかわし、ポジションを守り抜く。フランスGPでは24周目に珍しくスピンしても10位、オーストリアGPでは17番手からオーバーテイクを決めて9位。この挽回レースがさらに光り輝く。


☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル

 レーサーもアスリートであると、イギリスGP土曜に首を痛めていたベッテルが、あらためてそう感じさせたのではないか。フットボールやテニスのトップ・プロたちは怪我や故障を抱えながらも戦う(チームはもちろん本人も容態についてひた隠しするものだ)。決勝でベッテルは見事なスタートでリードを築き、終盤47周目に今年初めての最速ラップ。「アドレナリンこそアスリートの良薬」、他のスポーツ選手の名言を思い出す。


☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン

 イギリスGPのストレートで苦戦したフェルスタッペンが「これは格下カテゴリーのエンジン」とはっきり言った。勇気ある言葉だ。その前オーストリアGPに勝った後にズバッと批判したからである。生意気なのか、有頂天なのか。どちらでもない彼は正直に言っただけなのだろう。ルノー側が怒り心頭になろうとも自己主張するレーサーの矜持、この3連戦でいちばん響いた言葉である。



(Jun Imamiya)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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