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スーパーライセンス取得を目指す福住と牧野、FIA F2開幕戦は運に翻弄され苦しい滑り出しに

2018年4月11日

 2018年、F1直下のカテゴリーFIA F2には2人の日本人ドライバーがF1昇格を目指して挑む。昨年のチャンピオンチームであるロシアンタイムのシートを手にした牧野任祐はランキング3位以上、レッドブルのクリスチャン・ホーナーとその父がオーナーを務めるアーデンから参戦する福住仁嶺はランキング4位以上でスーパーライセンス取得の資格が得られる。


 今季から新車が導入されて勢力図がシャッフルされ、F1チームとの育成関係を持つ有力ドライバーも多数参戦するなど、かつてないほど激しい戦いが予想される中、彼らの真価が試されることになる。


 開幕前テストでは多発したエンジントラブルの影響もあって真の勢力図が見えないままバーレーンの開幕ラウンドを迎えることになったが、日本人ドライバー2人にとっては運に翻弄されて実力を発揮しきれないままのレース週末となってしまった。


 予選で7位に飛び込んだ福住は、レース1では好スタートを決めて4位に浮上し表彰台を争う快走を見せた。しかしDRSが閉じなくなるトラブルに見舞われ余計なピットストップを強いられて大きく後退。レース前半はペースを抑えて走ってミディアムタイヤを長く保たせ、レース終盤にソフトタイヤで猛攻を仕掛ける戦略は実行に移す前に終わってしまった。

福住仁嶺(アーデン)


「初めてのF2にしてはスタートは良かったと思います。その後のタイヤマネージメントはどのくらい飛ばして良いか分からないから探り探りで走りながらちょっとずつ学んでいって、そのせいで抜かれてしまったりもしたんですけど」と福住。


「僕もプッシュすることはできたけどレースは長いから焦らずタイヤを使わないことを意識して、学んだことを第2スティントのソフトタイヤで行かそうと思っていて、勝負は最後の最後5周くらいだと思って抑えていたんです」


「そうしたら急にリアのトラクションがなくなり、ブレーキングでもスタビリティがなくなったと思ったら、DRSが開いたままになっていて……それが全てでした」


 18位となってしまい、レース2は後方からのスタート。それでもまた好発進を決めて10位まで浮上し、前の集団に付いていって最後は8位でチェッカー。わずか1ポイントとはいえ、最後方からここまで挽回するだけの力を証明できたのは決して小さくなかった。


「今日は何もしてないですよ、前の何台かが消えていって順位が上がっただけです。クルマのポテンシャルとしては充分に表彰台に上れる速さはありましたから、本当にもったいない。チームメイトが表彰台に乗っているわけだから、(レース1が)上手くいっていれば表彰台の可能性もあったかもしれないですからね……」

DRSが閉じなくなるトラブルに見舞われた福住のマシン


 福住はレース1のトラブルで上位争いのチャンスを失ってしまったが、上位争いに加わるポテンシャルがあることは充分に見せることができたと言って良いだろう。


 一方、ユーロF3からのステップアップでピレリタイヤも初めてならF1併催レースも初めての牧野は、「開幕前の準備は50%」という不安を抱えながらのシーズンイン。


 それでも最大の不安だった予選一発のアタックでは8位に飛び込み、「あそこでもうアタックを辞めようかと思った」ほどのターン1でのロックアップがなければ5位には入ることができたという。


 だがレース1では1周目のターン4で強引にインに飛び込んで来たマキシミリアン・ギュンター(アーデン)に接触され後退。そして13周目にはルカ・ギオット(トライデント)に追突されて右リアがパンク。これで牧野のレースは終わったも同然だった。


 ピットスタートとなったチームメイトのアルテム・マルケロフが昨年同様のレースペースの良さを見せ3位まで挽回してみせただけに、攻勢をかける前に終わってしまったのは勿体なかった。


「無理してペースを上げても仕方ないしチームからもタイヤマネージメントのためにペースをセーブしろとずっと言われていたので、マルケロフに抜かれてからは彼をフォローして走っていくような感じでした」と語るのは牧野だ。


「ペースを上げろと言われれば上げられたし、ミディアムのスティントに関してはそんなに悪くないかなと思いましたけど、パンクでタイヤ交換することになったんでソフトで走るのが予定より4〜5周長いスティントになってしまったんで、最後はタレてメロメロになってしまいました。普通に行けば8位以内にはいけたレースだったと思います」


 これで19位に終わり後方スタートとなったレース2でも、目の前を走っていたマシンがターン1立ち上がりで失速したため避けることができずフロントウイングを破損。レース2も本来の場所でレースをすることができないまま終わってしまった。


 マルケロフが6番グリッドから優勝を飾ったように、ロシアンタイムのレースペースは速かった。しかしそれと比べると、牧野のレースペースは見劣りする部分があったことも事実だ。チームとマシンが持っているはずのポテンシャルを引き出し切れていないのだ。


「テストではロングランのペースが良かったんですけど、今週はそのフィーリングが全く感じられませんでした。逆にテストでは厳しいかなと思っていた一発の方が良かった」


「僕はアンダーステアになってしまってクルマが曲がっていかないということに悩んでいますが、チームメイトはそれがなくて、データを細かく見ても特に何か特別なことをしているという感じではなくて、彼の走り方を見て試してみたり色々やってはいるんですけど、それぞれの好みに合わせたセットアップの違いが(レースペースの差に)出ているのかもしれないとも考えています……」

牧野はチャンピオンチーム、ロシアンタイムからの参戦となる


 ともにレース1で不運に見舞われてつまずき、順調な滑り出しとはいかなかった開幕バーレーンラウンドだが、半月後の第2戦アゼルバイジャンラウンドに向けてそれぞれの課題とじっくり向き合う時間はある。福住はスーパーフォーミュラの開幕戦もある。


 順調な開幕ではなかったからこそ。次までに方向修正できるかどうかがシーズンの流れを大きく左右する。ともにマシンポテンシャルには恵まれているだけに、しっかりとそれをコース上の結果に繋げられるよう次戦までに方向修正をしてもらいたい。



(Mineoki Yoneya)




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