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小松礼雄コラム第16回: バトル時の裁定が不明確な背景。レース中の無線での駆け引き

2017年11月24日

 ハースF1チームのチーフエンジニアとして今年で2年目を迎える小松礼雄氏。創設2年目の新興チームであるハースはどのようにF1を戦うのか。現場の現役エンジニアが語る、シーズン終盤のリアルF1と舞台裏──F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラムの第16回目をお届けします。

早急に改善すべきレーススチュワードの問題
無線でのライバルとの駆け引き


 ブラジルGPの出だしはあまりよくなかったですね。小さなアップデートを入れましたが、それでもやはり深刻なタイヤのグリップ不足に悩まされました。
 
 そこで、金曜日の夜にフロント&リヤサスペンションのセッティングなどを中心に変更してタイヤの使い方を見直した結果、FP3ではフロント、リヤともに金曜より上手く使うことができ、ドライバーもふたりともハンドリングが改善し、良い感触を得ていました。

 予選Q1ではロマン(グロージャン)が9番手タイムを記録しましたが、Q1でのトップ10入りはオーストリアGP以来(8番手)になるので、良いパフォーマンスだったと思います。

 続くQ2の2回目のアタックでは、最終コーナーでちょっと安全にいきすぎた結果、10番手の(カルロス)サインツJr.に0.111秒届かずロマンは12番手止まり。良いラップをまとめていればQ3にも進出できたはずなので残念でした。

 しかし、金曜日にあれだけ苦戦していたことを考えると、この結果は良しとするべきかなと感じています。やはり来年に向けての課題は金曜日、FP1からもっと良いセットアップで週末をスタートすることです。それに向けて今いろいろな面で仕事の進め方を見直しているところです。

 レースペースには自信があるだけにポイント獲得を狙っていた決勝ですが、ロマン、ケビン(マグヌッセン)ともに1周目に接触を起こしてしまい、そのチャンスはなくなってしまいました。


 まずロマンですが、まずまずのスタートを切ったものの、彼と(エステバン)オコンの真ん中に好スタートを切った(ストフェル)バンドーンが進入してきたんです。その結果、ターン1の出口でバンドーンのフロントウイングとロマンの左リヤタイヤが接触してしまいました。

 そのせいでややスピードを失ったものの、ロマンはまだなんとかオコンに先行していました。しかしターン6への進入で膨らんでしまいオコンに接触、大きくクルマにダメージを負ってしまいました。さらにこの接触の原因になったとして、後ほど10秒ペナルティを科されることになります。

 ダメージによるダウンフォースの低下を差し引けばその後のペースはまあまあ想像どおりだったのですが、なにせダウンフォースが抜けていたので実際のペースは上がらず、15位に終わってしまいました。

 一方のケビンですが、ターン2でバンドーンと接触してフロントのプッシュロッドを壊してしまい、そのまま0周リタイアとなりました。

 以前、このコラムでも振れましたが、ハンガリーGPでケビンが(ニコ)ヒュルケンベルグと接触した時に、FIAのレースディレクター、チャーリー(ホワイティング)から、「エイペックスの時点でほんの少しでも前にいるマシンにそのコーナーの優先権があるので、その場合はコーナーの出口でコース幅をすべて使ってもいい」という見解が出されていました。

 その事実を確認しているケビンは、ターン2の進入でわずかとはいえバンドーンより前にいたので、自分のコーナーという認識を持って出口でコース幅を目一杯使ったんです。

 それはそれで全然良かったのですが、問題はバンドーンの外側にリカルドがいて、バンドーンは行き場がなくケビンと接触し、その後リカルドにぶつかる多重事故になってしまいました。ケビンはリカルドがバンドーンの外側にいるのは見えていなかったので、バンドーンがそれ以上アウト側にいけないことは知らなかったのです。

 ここで僕が指摘しておきたいのは、毎戦代わるレーススチュワードのなかには、チャーリーの見解やさらにはハッキリと文字として書いてあるルールを理解していない人がいることです。今回もデレック・ワーウィックがチャーリーの見解を知らず、危うくケビンがペナルティを科せられるところでした。

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