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今宮純によるF1アメリカ&メキシコGP採点:“ミニ・チャンピオンシップ”優勝候補に躍り出たマックス

2017年11月3日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はアメリカGPとメキシコGPの2戦分だ。 


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☆ ケビン・マグヌッセン
 強気走法を批判され、ペナルティポイントが多い“ファイター”の実戦力はたしかだ。母国戦から大きな空力アップデートを試みたもののその効能はもう一つ、メキシコGP予選も苦しんでいたが決勝になると一変。


 メカニカルグリップが明らかに向上、終盤ルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソをフェアに(?)抑えきり8位へ。この4点によってルノーとは1点差、ランクアップ目指す最後の反撃に挑む。


☆ ダニール・クビアト
 アメリカGPの起用は“解雇ありき”のものだった。複雑なチーム事情に動揺を隠せない内気なロシア人、表彰台2位の実績がありながら遂に放出された。14年デビュー戦9位、そして最後に10位入賞。レッドブル(ヘルムート・マルコ氏)の評価は低くても、いまのレギュラー基準に彼が満たないとは思えない。


☆☆ ブレンドン・ハートレー
 WECポルシェのトップドライバーだけに“テクニカル・フィードバック”の面では合格。ぶっつけ本番2レースに大きなミスはなかった。課題はフィジカルの強化(やせすぎだ)、そしてもうひとつの課題は予選アタックのスキルアップ。ワークス育ちの彼だけにプレッシャーには強く、メンタルは問題ない。

ダニール・クビアト/ブレンドン・ハートレー(トロロッソ)


☆☆ ピエール・ガスリー
 14位、13位、13位とマレーシアからの3レースをきっちりまとめた。メキシコでは決勝前に10周程度しか走れずにいたがレース中に進化、ラストラップで8位相当の自己ベスト・ラップ(!)。今後2戦はさらなる“進化”に注目してみたい。


☆☆☆ カルロス・サインツJr.
 全くマシン特性が違うルノーを乗りこなしていた。アクセルオンのタイミングが早まり、ターンインの挙動にそれが見てとれた。シーズン途中移籍をプラスに変える自己努力、来季への助走がスタート。


☆☆☆ エステバン・オコン
 チャンピオンたちがもつれあう1コーナーを巧くさばき3位へ。メキシコでも順位アップ、そこから自分のレースに持ち込み5位入賞。3戦続けて中間チームの“トップ”、昨年から『27戦完走記録』だ。ランク4位が確定したフォース・インディア、残り2戦はセルジオ・ペレスとのフリー・バトルが見ものに……。

2017年F1第18戦メキシコGP セルジオ・ペレスのファンに殺害予告されているエステバン・オコン


☆☆☆ ダニエル・リカルド
 北米2連戦リタイアに笑顔が消えた彼。予選よりもレースに焦点を置き、マックス・フェルスタッペンと微妙に違うセットアップを熟考。メキシコGPのFP2まで完璧に進めていたが予選、決勝で破綻が。ルノーPUが正常であれば今年初めて“レッドブル1-2”展開になっただろう。

度重なるトラブルで苦戦を強いられるダニエル・リカルド


☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
 メキシコ予選Q1で5位浮上。低中速エリアのセクター2と3でシャシーのレスポンス性がクイックに。空力の改善というよりもサスペンション・チューニング効果だろう。好む感触にやっとはまり、レース終盤にはハミルトンとのバトルが実現。この10位は今年『最も価値ある入賞』だ。

2017年F1第18戦メキシコGP フェルナンド・アロンソとロマン・グロージャンのバトル

☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
 2位6回と最速ラップ5回(北米2戦連続)、敗者となった彼にとってはもう意味のない戦績かもしれない。ハミルトンに食い下がった今シーズン、それを象徴するものだと個人的に思う。
 この2戦はセッショントップが一度も無く、フェラーリが劣勢に追い込まれたのは明白だった。それでも最前列グリッド(2位&PP)につけた4冠王の意気地、決戦2レースもそれが充分につたわる負けっぷりだった。


☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン
 初冠を5位、2冠を1位、3冠を1位、そして4冠を9位で決められた。周回遅れとなった戴冠戦は最も厳しく、つらいレースだった。最下位に落ちてしばらくの間は別人のような“小さな走り”で、抜きに行く素振りが全く見られなかった。
     
 本人は言っていないが完走ゴールだけを目指そうと、プレッシャーに耐えつつ周回を重ねる深層心理が読みとれた。そこから解放されたのはバルテリ・ボッタスが2位フィニッシュしたとき、ベッテルの“延命条件(2位以内)”が完全消滅――。かっこよく勝って決められず周回遅れで4冠達成、32歳ベテランの渋い決め方だった。
☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
 10月から『ミニ・チャンピオンシップ』に邁進、マレーシアGP1位、日本GP2位、アメリカGP“幻の”3位、メキシコGP1位。この4戦は彼がポイントリーダー。レッドブル・チームと最終盤戦をそうとらえ、モチベーションを高めたまま4戦に向かっていた。
     
 完璧なメキシコGP独走、相次いで7件多発したルノーPUトラブルをしのいだ彼らは強かった。17年最終盤『ミニ・チャンピオンシップ』、あと2戦はハミルトンとベッテルのふたりの4冠王VSフェルスタッペンになるのではないか――。





レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/21(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※中国GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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