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今宮純によるF1オーストリア&イギリスGP採点:タイトル争いに『第3の男』ボッタスが名乗り

2017年7月20日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回はオーストリア&イギリスGP編だ。 
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☆ ストフェル・バンドーン
 フェルナンド・アロンソばかり注目されるがこの2連戦12位と11位、直近4レースを完走中。トラブルがなかったフリー走行では3セッションで先行、イギリスGP予選9位へ。走りこむことができればしっかり結果につなげる。


☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
 濡れ乾き路面の名手、シルバーストン予選Q1でメルセデス勢に割り込む4位(!)。ドライ部分を巧みに探るライン・ワークが彼のタレント、カート時代に雨中特訓で身につけたとか。1977年のイギリスGPからルノーRS01ターボが初参戦して40年、イギリスGPの6位は価値あり。またルノーPUは4位/5位/6位フィニッシュだ。

2017年F1第10戦イギリスGP ニコ・ヒュルケンベルグ、ジョリオン・パーマー

☆☆ エステバン・オコン
「1年目はまず全てのレースで入賞が目標」と開幕前に宣言。モナコ以外きっちり実行している新人は、中団グループバトルのなかにいてもミスが極めて少ない(イギリスGPのスタートも見事だった)。


☆☆ セルジオ・ペレス
 負け嫌いなメキシカン、予選Q3になると“奥の引き出し”から速さの源を出してくる。シルバーストンがその典型パターン、先行オコンを出し抜く。首脳陣からあらためて『チーム・ファースト』を諭された二人、それを受け入れ10戦8度目のダブル入賞。


☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
 スペインの雄ラファエル・ナダルが残れなかった今年の『ウインブルドン・テニス』、イギリスGP決勝日と重なった決勝でロジャー・フェデラーが最年長Vを。オーストリアGPに続いてチェッカーまで残れなかったアロンソ、またも4度目のリタイア。みんなもっとアロンソの勇姿を見たい……土曜予選Q1トップ時にはシルバーストンで大歓声があがった。

2017年F1第10戦イギリスGP フェルナンド・アロンソ


☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
 まだ50戦目にしてトップ・メンバーの一人、ますます大人びて見える19歳。レッドブルリンクにあれだけのファンを集めたカリスマ性、シルバーストンで魅せたアタック能力。92〜93年ベネトン新鋭時代のミハエル・シューマッハーがだぶる……。


☆☆☆ キミ・ライコネン
 5位と3位という結果に終わった2連戦、レースのベストラップはベッテルより速かった。マシンにはほぼ満足気でもゲーム展開が悪い流れ、イギリスGP終盤にタイヤトラブル。仏頂面のキミ、黙して語らず。


☆☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
 オーストリアではバルテリ・ボッタスのスタートにいらだち、イギリスではフェルスタッペンのブロックにいらいら。ポイントリーダーだからこそ勝負にこだわる気力の表れだ。そうやってチームを引っ張るベッテル。1点差となった今、チャンピオンシップはこれからリスタート。

2017年F1第10戦イギリスGP タイヤトラブルにより7位となったセバスチャン・ベッテル


☆☆☆☆ ダニエル・リカルド
 恐れを知らぬ“ミツアナグマ”のようなレース。最後尾スタートになっても歯向かっていくリカルド、ハンガーストレートからストウで“オーバーテイク祭り”。次々に獲物を捕らえるさまはまさに動物的、一発で抜くブレーキング・ラインをたっぷり見せてもらった。

2017年F1第9戦オーストリアGP ダニエル・リカルド(レッドブル)は5戦連続で表彰台を獲得


☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン
 近代F1で全集回リードはまれなこと。PPウイン+最速ラップに加えてまたまたグランドスラム達成。今年、中国GPとカナダGPに続いて3度目だ。シーズンに3度はアルベルト・アスカリ、ジム・クラーク、ナイジェル・マンセルとタイ記録。くりかえしになるが『歴史的な大勝利』だ。

☆☆☆☆☆ バルテリ・ボッタス
 この2連戦に二つの技を見た。レッドブルリンクでぎりぎりのスタート、登り坂のここでは発進力が勝負ポイント。一瞬の遅れが大差になってしまう。フリー走行後にグリッドからスタート練習できるのは3回だけ、彼はそこで励んだのだろう。PPからのダッシュ成功が勝因となった。

 シルバーストンではグリッドペナルティがあったため、戦術としてベターなソフトタイヤを金曜から重点セットアップ。予選4位→9番グリッドからソフトで32周ロングスティントをカバー。


 後半スーパーソフトでスパートをかけて2位、見事なレースメイキングだ。カナダGPから2位・2位・1位・2位、巧さ×速さ×駆け引きが三位一体となった結果である。夏のタイトル戦線に『第3の男』が上がってきた。



(Jun Imamiya)




レース

4/19(金) フリー走行 12:30〜13:30
スプリント予選 16:30〜17:14
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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