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【今宮純のキャッチポイント】ソチと相性抜群のハミルトン。ロシアGPは政治面にも注目

2017年4月26日

首位の座をフェラーリに奪われたメルセデス。起死回生なるか、ロシアGP“ソチ反抗戦”に注目だ。

 第3戦バーレーンGP後の4月18、19日に行われた今季最初のシーズンインテストに、彼らはレギュラー勢をそろって起用。他チームのように新人(2戦以下)を走らせず、反撃への準備作戦に出た。


 初日ルイス・ハミルトン97周+2日目バルテリ・ボッタス143周=240周の走り込みを遂行、主目的はロングランペースの見直しとタイヤのマッチング。さらにエアロパーツの実走テストとしてボッタスはTウイングを装備せず、問題視されているこのパーツがない状態で空力セットアップをトライ。

T型ウイングを外してテストを行なったバルテリ・ボッタス(メルセデス)
T型ウイングを外してテストを行なったバルテリ・ボッタス(メルセデス)


 パワーユニット開発も実施、これからのアップデートに備えるプログラムを2日目に行った。猛暑の日中、ボッタスが実に2.5レース分もの距離をひとりでカバー、彼自身さらにW08の理解度を深めたことだろう(タフなフィジカル能力を感じた)。


 フェラーリに2敗した原因を徹底分析したメルセデス。ここにはアルバートパークと同じ柔らかい側のウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトがまた供給される。それだけにフェラーリに対してレースペースが見劣りし、性能劣化が著しい傾向を解決しておかねばならない。高温条件でのリヤタイヤのオーバーヒート現象などに、サス・ジオメトリーを含む対策がなされた。

■バーレーンテストで分かれたチームの姿勢。今後のラウンドへの影響は?

 開幕3戦しての「傾向と対策」、これがメルセデスにとってこのテストの重要課題。他チームにもそれは言えるが、フェラーリは初日を新鋭アントニオ・ジョビナッツィに任せ、セバスチャン・ベッテルは18年試作タイヤ開発を今季初めて担当(いっさいマシンはいじれない)。


 2日目に通常テストをベッテルで実施、だが、ハイドロ系やマイナートラブルが起き、64周しかできなかった。レッドブルも同様にトラブルに足を引っ張られ、ダニエル・リカルド45周(パワーユニット交換)とピエール・ガスリー65周(排気系トラブル)に留まった。


 トップ3チームではメルセデスだけがたっぷり走りこみ、フェラーリとレッドブルはこの貴重な機会をやや棒に振ったわけだ。これが第4戦に直接響くわけではなくても、今後ヨーロッパラウンドに関係してくるかどうか……。

テストでトラブルに見舞われたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)と、ダニエル・リカルド(レッドブル)
テストでトラブルに見舞われたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)と、ダニエル・リカルド(レッドブル)


 中間チームで目立ったのは、新人たちの特訓だ。1点差で争うランキング4位フォース・インディアはエステバン・オコンにショートランを、5位ウイリアムズはランス・ストロールにパフォーマンスランをやらせていた。セルジオ・ペレスとともに3戦連続入賞(すべて10位)のオコンは安定性があり、次のステップとしては予選で先輩に接近することがテーマ。


 3レース未完走のストロールは、ドライビングを見直すレッスンが必要だ。そこでウイリアムズは役割を分担、ファイン・セットアップ構築をフェリペ・マッサに一任、2日目は16年からシミュレーター担当のゲイリー・パフェットをあえて実走させた。


 狙いはニューFW40を体感させ、今後のシミュレーション業務に役立たせたいから。こうした役割分担に、パディ・ロウならではの周到さと緻密さが感じられる。

■今宮純が厳選するF1第4戦ロシアGP 5つの見どころ

キャッチポイント1

 14年から3連覇しているメルセデス、もちろん、ポールポジションも続けていて、1-2フィニッシュが2回。ストレートとストップ&ゴーのソチには強く、さらに勝利行進を続行できるか。

キャッチポイント2

 首位フェラーリで見逃せないのは、キミ・ライコネンに相次ぐパワーユニット・コンポーネンツ交換がバーレーンGPで起きた事態。FP1を十分走れなかった出遅れが影響し、表彰台に届かない原因になった。これがベッテルに飛び火したら一大事、リードする立場になっただけにあらためて信頼性ファーストでいかねば。

バーレーンではフェラーリ製PUの信頼性に不安要素がみられた
バーレーンではフェラーリ製PUの信頼性に不安要素がみられた

キャッチポイント3

 今週明けまで低温続きのソチだが、週末に向け天候は好転。金曜21度、土曜23度、日曜24度度という予報で、これは昨年までの決勝16〜22度を超えそうだ。陽ざしも強まり、路面温度が40度前後と予測されるこのコンディションはフェラーリ・ウェザーか。

キャッチポイント4

 14年は27周目、15年は32周目、昨年は21周目、ウイナーはすべて1回ストップ戦略。初年度からスムースな路面舗装はタイヤに優しく、今年も大半チームがその戦略を選択するだろう。

キャッチポイント5

 ホットコーナーはターン3、特徴的な左ロングコーナーは右前輪一本にストレスがかかる。トリッキーエリアはターン13、ミドルストレートからの左ひねりブレーキングは難易度が高い。タイムレベルが上がってくると破綻しやすくなり、ここが予選アタックのキーコーナー。その先のターン14、15、16は低速だがアンジュレーション(傾斜角)が微妙、ラインワークが変化するテクニカルセクションだ。

バーニー・エクレストン(中央左)とプーチン大統領
バーニー・エクレストン(中央左)とプーチン大統領

キャッチポイント6

 プーチン大統領とバーニー・エクレストンの忖度(?)もあって実現したロシアGP。しかし、今はアメリカ企業がF1界の実権を握る。米露の国際政治関係が今後このイベントにどうかかわってくるか、おそらくプーチン大統領は現場に姿を現さないだろう。



(Jun Imamiya)




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