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今宮純によるF1中国&バーレーンGP採点:ベッテル好みにピタリとハマった“ジーナ”

2017年4月20日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。
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☆1 ニコ・ヒュルケンベルグ
 3戦目ようやく初入賞。ストレート速度を確保しつつ、コーナリング・スタビリティを高めるセッティングを見つけたようだ。連続予選7位、レースペースにやや苦しむも9位。この仕事ぶりにアンバサダー役A・プロストも笑顔、一歩前進したワークス


☆1 パスカル・ウェーレイン
 胸椎圧迫骨折が厄介なのは痛みが常にあるわけではないのに残り、時々強まることだという。それだけにトレーニングはできない。2戦欠場した理由はそれだ。バーレーンから復帰、チームメイトを凌駕する予選13位、入賞目前11位は大健闘。1月「ROC」での事故がなかったなら、彼とザウバーはすでにポイントを得られていたかもしれない。


☆2 エステバン・オコン
 中間チームが新鋭に望むのはまずコンスタントなドライビング。昨年マノー9戦、今季フォース・インディア3戦ですべて完走し連続10位入賞。「いまボクは全戦ポイント獲得が目標」、現実的で謙虚な姿勢がチームに評価されている。これからヨーロッパ・ラウンドで速さをワンランクアップ、それが次の目標。


☆2 フェリペ・マッサ
 初戦 2.34秒、第2戦 2.52秒、第3戦 2.34秒、最速ピットストップ賞を連覇するマッサ。以前、ウイリアムズ新人時代のバルテリ・ボッタスに模範プレーを示し、ピットクルーにも刺激を与えたという。サー・フランク・ウイリアムズ氏75歳誕生日に今季ベストタイ6位をプレゼント、チームの大黒柱だ。

2017年第3戦バーレーン キミ・ライコネン(フェラーリ)とフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)
2017年第3戦バーレーン キミ・ライコネン(フェラーリ)とフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)

☆2 ダニエル・リカルド
 高速域でカーバランスが急変化、リヤが“腰砕け症状”におちいるRB13は昨年とかなり違う性格だ。プッシュするのは至難の業だがバーレーンで予選4位進出、決勝序盤でトップ集団に肉薄。与えられた現状のマシンから最大限の走りをつらぬく。


☆3 セルジオ・ペレス
 自己ベスト記録さらに更新。33レース完走、13戦連続入賞、これは現在ナンバーワン。バーレーンでは不運な予選18位から1周目に5台抜き、そこから着実に上昇し6位マッサと8秒差。TV画面にあまりとらえられなくても記録がもの語る存在感。


☆3 バルテリ・ボッタス
 自分が犯したミスは自分で償う。新人時代からメンタルの強さを秘めていた。中国GPでセーフティーカー走行中にスピン、不用意なミスが騒がれた6日後に初PP(81戦目)、先輩ミカ・ハッキネンは93戦目だった。フリー走行で気になったこと、Tウイングがまた脱落、どうして彼だけに。推測するとハミルトンと異なるラインを通過しているから、あるいはサスペンション設定が違うからか……。共通パーツなのにああなるのは共振現象など原因があるはず。


 PPスタート前にタイヤ内圧管理でトラブルがあり、苦戦を強いられたバーレーン。チーム側のミスはピットストップ6秒にも表れ、あげくにチームオーダー発令に従い3位。この2週にさまざまな試練に直面した彼は、強いメンタルで乗り越えていくことだろう。


☆3 ルイス・ハミルトン
 上海ではあれほど柔和なスマイルでいたのに、バーレーンのレース後はまるっきり表情が変わった。感情の起伏が表に出るタイプ、ベッテルに7点差を喫した2位は痛い。終盤、ボッタスに譲れというオーダーが出ると意外なところで烈しい抜き方をした。通常なら無難なストレートでかわせばいいのに12〜13コーナーで行った。よほど心理的に熱くなっていたと見てとれる。現時点でメルセデスのアドバンテージは激減、予選アタックのPUモードだけは上回っていてもほかは厳しくなっている。

2017年第3戦バーレーン ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタス(メルセデス)
2017年第3戦バーレーン ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタス(メルセデス)


☆4 マックス・フェルスタッペン
 雨の上海スタートで見せた技、濡れた路面を“2速”発進でスルスルと加速。ショートシフト気味でつなぎ、前後左右マシンの動きを観察し次々にパス。空間を見抜く瞬間判断、濡れ具合に合わせたアクセルワーク、相手が減速後にブレーキングETC。昔アイルトン・セナがウエットレースで見せてくれた技を思い出す。バーレーンでもスタート直後にリカルドをフェアにパス、あのままブレーキ・トラブルがなければ第3戦の結果はかなり変わっていただろう。


☆4 フェルナンド・アロンソ
 抜くテクニックと抜かせないテクニックを同時に駆使、後方集団にチャンピオンがいるとこういうスリリングなレースを我々は堪能できる。しかし、彼自身はもう我慢の限界点、インディ500に参戦する決意を支持する。65年にロータスのジム・クラークはモナコGPを欠場、インディ500で勝った。63年2位、64年リタイア、3年目の挑戦だった。それを思い出すととても難しい参戦だが、彼はレーサーだからこそ決心した。

2017年インディ500参戦を発表するフェルナンド・アロンソとザック・ブラウン
2017年インディ500参戦を発表するフェルナンド・アロンソとザック・ブラウン

☆5 セバスチャン・ベッテル
 ショート・ホイールベースの機敏な回頭性能がベッテルの好みにはまり、キミ・ライコネンはもうひとつ前後バランスがお気に入りでないようだ。ボッタスから後方乱流を浴びてもコース上の強風のなかでも、ベッテルは自信をもってコントロールしている。11年開幕3戦に優勝・優勝・2位、6年ぶりに上々のスタート。今年レース後にまったく疲労感を見せない彼、SF70H(愛称ジーナ)はとても従順なのだろう。

F1バーレーンGP表彰台
F1バーレーンGP表彰台



(Jun Imamiya)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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