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小松礼雄コラム第2回:テストで見えたハースのポジション、マグヌッセンの嬉しい驚き

2017年3月23日

 ハースF1チームのチーフエンジニアとして今年で2年目を迎える小松礼雄氏。レギュレーションが大きく変わった今年の新F1で、創設2年目の新興チームであるハースはどのようにF1を戦うのか。現場の現役エンジニアが語る、リアルF1と舞台裏──F1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラムの今季2回目をお届けします。

テストで見えた今年のF1勢力図とハースのポジション
グロージャンとマグヌッセンの新規定へのドライビング対応

 いよいよ2017年のF1シーズンも開幕ですが、今回はまずは開幕前のテストを終えた感想からお伝えしたいと思います。テストの感触は去年に比べたら全然良かったです。去年はフロントウイングが落ちたり(苦笑)、チームとして様々な基本的な問題があり、なんとかクルマを走らせているという状態でした。

 時間的にもあまり眠れない期間が1カ月以上あり、みんな消耗しきっていました。それに比べると今年はイタリアで行う新車の組み立てから効率や仕事環境を改善することができました。そしてテスト自体でも、周回数は去年の1.5倍に伸ばせましたし、テスト項目をかなりこなすことができました。

 特に1回目のテストからセットアップ関連のプログラムをやることができたので、ずいぶん前に進んだなと思います。とにかく去年の1回目のテストは走らせるだけでしたけど、今年は毎日9時にはきちんとクルマの準備はできていましたし、ナイトシフトのジョブリストとかも全然良かったので、進歩はよく実感できました。

 ただ、いろいろと報道されているように、ブレーキなどいくつか課題も残りました。やっぱりロマン(グロージャン)の方がドライビングスタイリング的にブレーキの感触にかなりこだわるというか、センシティブなので、そこで彼の要求するフィードバックをブレーキから得られないと、タイムへの影響が大きいですね。

 一方、ケビン(マグヌッセン)の方はそこまでセンシティブじゃないというのもわかりました。ただ、これはまったく悪い意味ではないです。彼の方が問題を回避するのがうまいんです。ロマンは絶対に彼のドライビングスタイルでこうじゃなきゃいけないっていうのがあって、それを変えるのが難しいし、あんまり変えようともしないけど、ケビンの方はもうちょっと、逆に早すぎるかなと思うくらいドライビングを変えることができるのです。

 それは本来のドライビングスタイルというか、クルマから必要としてるものは同じなんですけど、問題があった時に対処する仕方、アプローチが結構違うということですね。不満はありつつもケビンの方が自分の方でアジャストしていける。それは良くも悪くもないことなんです。早い段階でそういうことをしちゃうと逆にクルマが良くなっていかず、本来のクルマのポテンシャルに及ばない低いところでまとまっちゃう可能性が出てきます。

 でも仮に予選とかFP3になって、その段階でもクルマが好みに仕上がっていない時にはケビンの方が強いでしょうね。これは、以前に一緒に仕事をしていたフェルナンド(アロンソ)の素晴らしいところでした。とにかく、金曜は文句ばっかり言ってありとあらゆるところを直せと要求してきます。しかし、FP3になった段階で、どんなクルマに仕上がっていたとしても、それを受け入れて彼の方で対処できる能力を備えているんです。

 ケビンの印象はすごく良いです。テストのタイムを見てもらえばわかるけれども、基本的にケビンの方がロマンより今のところ現行にうまく対処しているので、それがタイムにも現れています。フィードバックがとても良いですし、きちんとクルマのセットアップができるドライバーだと思います。そして、ちゃんとそのクルマのポテンシャルどおりに走ってくれるので、レースもきちんとできると思います。ここまでフィードバックが良いとは思っていなかったので、良い意味での驚きでした。

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