【レースの焦点】偉大なるジル・ビルヌーブを思い出すための1日──ベッテルがレースで伝えたティフォシへのメッセージ/F1第7戦カナダGP
2018年6月13日
ドライバー全員に声援を送るのは、おそらくジル・ビルヌーブのフェアな精神が残したカナダGPの伝統。そこでもやっぱり、フェラーリの応援旗や赤いシャツが目立つ。
「ヘアピンは最高にクールだ」と、ベッテルは言った。
「モンツァに次いで、あるいはモンツァと同じくらい、ここのティフォシは熱狂的だ」
ルイス・ハミルトン&メルセデスの強さが予想されたカナダGP。いつもとは様子が違うハミルトンを横目に、マックス・フェルスタッペンが好調なペースを示していた。ベッテルの週末も、最初からスムーズだったわけではない。金曜のフリー走行ではステアリングに問題を抱え、ウォールを擦るシーンもあった。FP2でコースインしたのは、セッション開始から30分以上が過ぎた頃のことだ。
「リズムがつかめない」と、金曜の走行を終えたベッテルは言った。サーキットと一体になるリズムを人一倍大切にするドライバーは、歯がゆさを感じていたに違いない。正確さを要求するブレーキング、スピードを維持しながら乗り越える縁石、コーナー出口に迫るウォール。
「ここではとりわけ、リズムをつかむことが大切。マシンを信頼して、自信を持って攻めないとタイムは出ない」
金曜日、キミ・ライコネン以上に試行錯誤を繰り返すのは今シーズンのベッテルの特徴でもある。ふたりのスタイルが異なることを考えると、それはマシン特性による傾向かもしれないし、あるいは、ベッテルとフェラーリがアプローチを変えたせいかもしれない──。土曜のFP3になると、見違えるように動きが改善されるのも今年の特徴なのだ。
モントリオールでも、土曜朝にコースインした瞬間から、マシンは驚くほどドライバーの感覚を正確に反映するものになった。その勢いのまま、ポールポジションを獲得した──。モナコほど予選結果がレースに直結するコースではないのに、ベッテルはその喜びを抑えようとはしなかった。マシンの隅々まで自分の神経が通った。だから、あとは自分次第だと確信できたのだ。
日曜のレースでも順調にスタートしたベッテルは、ウルトラソフトの耐久性を活かし、2番手バルテリ・ボッタスがピットインするまでタイヤ交換を待ち、終始トップの座を守り、まったく隙のない戦いぶりを見せた。例年のカナダと違って──まるでモナコのように──順位変動の少ない展開。でも、ミスを許容しないコースで、さまざまなダイヤルやスイッチを操作しながらウォールすれすれのラインを抜けていくドライバーに対して“退屈なレース”だったと表現するのは失礼。ドライバーが自分から「退屈なレースだった」と言う場合はあっても、それは見ているだけの人間が口にするのとは、まったく意味が違うのだから。
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※中国GP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
※中国GP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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