まず動いたのはバンドーンだった。ライバル勢が1ストップ作戦を続けている中、9周目にピットインし、2回ストップ作戦で、後半の追い上げを目指した。だが、作戦は機能せずに14位に終わった。
一方、アロンソは1ストップ作戦を選択。1回目のピットストップを25周目まで引っ張り、2回ストップ勢が2回目のピットインしていく中、コースにとどまってポジションアップ。ニコ・ヒュルケンベルグがマシントラブルでリタイアした41周目には11番手まで浮上していた。
最後の10周は10番手のフェリペ・マッサとテール・トゥ・ノーズのバトルを演じたもの、0.8秒及ばず、11位でフィニッシュした。
目標だった地元でのポイント獲得は今年も実現できなかったホンダの長谷川祐介ホンダF1総責任者は、レース後以下のように語っている。
「ポイントが獲得できなかったことは残念ですが、レースペースはウイリアムズより速かったし、ハースやルノーにも負けていなかったので、ポイントを獲得できる実力を確認できたことはポジティブでした。特にフェルナンドがマッサを追い詰めていく最後の数周は、非常にエキサイティングでした」
最後尾からスタートして11位でフィニッシュしたことを考えれば、もしもアロンソのパワーユニットに問題が起きていなければ、今年の日本GPでマクラーレン・ホンダは確実に入賞していただろう。
さらに、9番手からスタートしたバンドーンがもしもスタート直後の2コーナーでコースオフしていなければ、こちらも入賞するチャンスは十分あった。だが、長谷川総責任者は「それも含めてレース。結果を出せなかった事実を重く受け止めたい」と語った。
そして、こう言って、マクラーレン・ホンダとしての最後となった日本GPを締めくくった。
「来年は、皆さんに心配しないで応援してもらえるよう、今年より信頼性も性能もワンステップ上のパワーユニットを持って、帰ってきたい」
(Masahiro Owari)