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F1復帰を目指す可夢偉の現状とライバルの動向

2013年10月21日

AUTOSPORTweb

 日本GPに姿を見せて以来、小林可夢偉に注目が集まっている。可夢偉が来季のF1復帰への思いを公式に語ったのは、6月以来初めてのことだった。

「交渉はまぁ順調ですけど、相変わらず僕は詳しいことは言いません。そういうことを言うのが嫌いなので」と、可夢偉は交渉状況を説明した。

 一部では、可夢偉がウイリアムズのレースドライバー候補に浮上したと伝えられている。鈴鹿のパドックでも、可夢偉サイドがウイリアムズなどと交渉をしているという話は漏れ伝わって来ていたが、2014年のシートを巡る争いは実際のところどうなっているのだろうか?

 小林可夢偉のマネージャーを務める宮川マリオを直撃すると、彼は現状を次のように説明した。

「キーマンは(ニコ・)ヒュルケンベルグ。マーケットはまだ動き出していないし、彼が動くまでは動けない」

 後半戦に入って好走を見せ評価を上げているヒュルケンベルグは、ロータス入りを狙っている。キミ・ライコネンを失うロータス側も、彼の獲得に前向きだ。しかし財政難のロータスにとって、まとまった持ち込み資金のないヒュルケンベルグを獲得するためには、現在交渉中の投資ファンド『クワンタム』からの30億円規模と言われる入金が必要になる。

 それが果たされなければ、ロータスは巨額のスポンサーを持ち込むパストール・マルドナドを獲得し、ウイリアムズのシートが空くことになる。マルドナドはウイリアムズの不振にしびれを切らし、フォース・インディアへの移籍も検討している。そのウイリアムズの空席を、可夢偉はヒュルケンベルグ、ポール・ディ・レスタらと争うことになるのだ。

 ウイリアムズはマルドナドの後ろ盾であるベネズエラの国営石油企業PDVSAと強固な契約を結んでおり、彼が移籍してもPDVSAはウイリアムズに残ると言われている。その真偽は定かではないが、ウイリアムズが交渉の上で少しでも持ち込み資金をつり上げようとしていることは事実だ。

 実際、ウイリアムズには20〜30億円規模の資金を持っているとされるマックス・チルトンやギド・バン・デル・ガルデもアプローチしてきている。それに対して可夢偉やヒュルケンベルグは、経験では優っていても、資金力では文字通りケタがひとつ違う。

「どこのチームもお金の話ばかりで、ドライバーとしての技術面や人間性に触れる話は全然出てこない。正直言って、交渉していても面白くはありません。どのチームもお金に困っていて、去年よりも酷いかもしれない」と宮川氏。

 もちろん、フォース・インディアにも可能性はある。しかしこちらもシート争いの相手は同じメンツだ。


 そんな状況の中で、可夢偉自身はなんとしても2014年はF1のレースシートに復帰したいという思いを強くしているという。昨年はコンペティティブなチームにこだわったこともあって、シート獲得のチャンスをみすみす逃してしまったが、ヒュルケンベルグの活躍などを見るにつけ、F1の世界に足を踏み留めておくことの重要性を再認識したようだ。

「正直言うと、自分の中でこれで良かったんかなって疑問に思う時もあります」と可夢偉は正直に認めた。しかし、スクーデリア・フェラーリの一員としてその内状を学び、WEC(世界耐久選手権)に参戦して学んだことを来季のF1復帰に向けて最大限に生かそうという、可夢偉らしいポジティブシンキングに切り替えている。

「去年まで3年間F1を戦ってきたわけですけど、新しいクルマやタイヤに対応しなければならない中で、自分に足りない部分を感じていました。そういう時に別のカテゴリーのクルマでレースをしたことで新しい引き出しが増えたし、今まで以上に強い自分になって戻って来られると思っています」

 テクニカルレギュレーションが大きく変わりF1が劇的に様変わりすると見られている2014年に、この世界にいて新しいF1を経験することの重要性もよく分かっている。2014年にF1に乗れなければ、F1に戻ってくることがかなり厳しくなるであろうという現実も。

「そうですね、単純にそうだと思います。自分にとっては今年よりも来年から乗るという方が確実に大切だと思う。とにかくレースをすることが大事なんで、来年はドライバーとしてここ(鈴鹿)に戻ってきたいと思っています」

 だからこそ、「自分からわざわざ遅いチームには行かないけど、自分が乗れる中で一番速いチームに」という可夢偉の言葉からは、状況によってはチームのレベルを妥協してでもF1復帰を優先させるという思いも伝わってくる。

AUTOSPORTweb

 日本GPでザウバーのリザーブドライバーとしてノミネートされ、7月のシルバーストンに続いて10月18日には2度目のテストを経験した佐藤公哉も、F1のシートを狙っている。ただし、こちらはレースシートの獲得を急いではおらず、リザーブドライバーとしてフリー走行に参加し、F1の経験を積み重ねることを最優先に考えているようだ。

 シルバーストンでは400km近くを走破し、チーム技術陣からも高い評価を得てスーパーライセンスも取得した。しかしF1マシンの理解度は「僕のフィーリングでは50〜60%っていう感じ」と謙虚に受け止めている。

「チャンスがあれば是非頂ければ嬉しいです。もちろん、走れるなら全部(のレースで)走りたいです。でも急いで乗らなきゃいけないということはないと思いますし、タイミングというのがすごく大切だと思っているので、焦らず行きたいですね。日本GPでF1が現実的な目標として見えましたが、マラソンで言うとまだ折り返し地点、まだまだ道のりは遠いです」

 小林可夢偉と佐藤公哉は、ともに現実を直視し、決して背伸びするのではなく、自分たちに実現のできる未来を手に入れようと努力している。2014年は2人の日本人ドライバーをF1のパドックで見られることを期待したい。




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