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【F1第8戦無線レビュー(2)】「みんなにおめでとうと言いたい。最高の仕事をしてくれた」初優勝の興奮冷めやらぬガスリー

2020年9月10日

 トップチームやトップドライバーたちが次々と脱落していくなか、今年のF1第8戦イタリアGPの主役となってレース終盤を盛り上げたのが、ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)とカルロス・サインツJr.(マクラーレン)だった。


 レース再開後の34周目のホームストレートで、トップに立ったガスリーの後方で2番手のキミ・ライコネン(アルファロメオ)にサインツJr.が迫る。


マクラーレン:あまり焦るな


サインツJr.:僕はガスリーと勝負したいんだ


マクラーレン:ひとつずつだ


 直後の1コーナーでライコネンをオーバーテイクしたサインツJr.は2番手に浮上。トップを走るガスリーとの差は約4秒だ。11周後の45周目にはその差は1秒台となり、いよいよレースは残り3周へ。


サインツJr.:近づくと前車の乱気流がひどい。******


マクラーレン:残り3周だ、カルロス。集中して全力で戦え。絶対にミスをするな

カルロス・サインツJr.(マクラーレン)
2020年F1第8戦イタリアGP カルロス・サインツJr.(マクラーレン)


 そして、52周目に2人の差は1秒を切る。


マクラーレン:カルロス、いま君は2番手だ。慎重に行こう。絶対にミスをするな


サインツJr.:僕は勝ちたいんだよ、トム(・スタラード/担当レースエンジニア)


 しかし、ガスリーもサインツJr.を上回る集中力で必死に防戦。そして、53周で行われた今年のイタリアGPのチェッカーフラッグを最初に受けたのは、ガスリーだった。わずか0.415秒抑えてサインツJr.に競り勝って、F1初優勝を達成したガスリーが最初に発した言葉は「オー・マイ・ゴッド」だった。さらにガスリーは叫びまくった。


ガスリー:ついに僕たちはやったぞ


アルファタウリ:やったぞ!!


ガスリー:レースに勝ったんだ。イェーイ。オー・マイ・ゴッド! 俺たちまたやったよ! オー・マイ・ゴッド、イエス! ウァァァァァ


アルファタウリ:P1だ。ピエール! P1だ


ガスリー:ついにレースに勝ったんだ……!

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


 その後、ウイニングランに入ったガスリーに、レース後に行わなければならないパワーユニットの技術的手順を伝えるが、ガスリーの興奮は収まらない。


アルファタウリ:フェイル84だ。フェイル84


ガスリー:オー・マイ……


アルファタウリ:フェイル82だ。いますぐフェイル82だ。お願いだから、すぐにやってくれ


ガスリー:オー・マイ・ゴッド。みんなにおめでとうと言いたい。チームのすべての人たちにだ。みんな最高の仕事をしてくれた。アルファタウリ、ホンダ、すべてのエンジニアとメカニックたち、そして(アルファタウリのファクトリーがある)ファエンツァの全員にありがとうと言いたい。僕たちはやったんだ。イェーイ


アルファタウリ:ありがとう、ピエール。素晴らしいレースだった


ガスリー:もっと早くミラノに引越しすべきだった


アルファタウリ:OK、もうすぐピットエントリーだ。ピットレーンに入ったら、パルクフェルメで”ナンバー1″のボードにマシンを停車するのを忘れるなよ。そして、停車したら、スイッチをP1にして待っててくれ。その後、こちらから合図したらP0に。そうしたら、表彰台へ行っていいぞ

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

2020年F1第8戦イタリアGP 表彰式
2020年F1第8戦イタリアGP表彰式 ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、ランス・ストロール(レーシングポイント)


 一方、0.415秒差で初優勝を逃したサインツJr.は、自己最高の2位にも胸中は複雑だった。


マクラーレン:すごいレースだった、カルロス。P2だ! 君は勝ちたかったと思うけど、2位だぞ。素晴らしいリザルトだ。君は週末を通して素晴らしかった。赤旗(で順位を落とした分)をよく挽回した。最高の仕事だった


サインツJr.:ああ。でも、笑っていいのか泣いていいのかわからないよ。あああ……いままでで最も(優勝に)近かったのに……あと1周あれば……

最後までトップを争ったガスリーを称えるカルロス・サインツJr.(マクラーレン)
最後までトップを争ったガスリーを称えるカルロス・サインツJr.(マクラーレン)

2020年F1第8戦イタリアGP 2位のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)がチームとお祝い
2020年F1第8戦イタリアGP 2位のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)がチームとお祝い


 8位でフィニッシュしたエステバン・オコン(ルノー)にとっても悔しいレースだった。レース序盤に自分の後ろを走っていたガスリーが優勝したことで、その不満は爆発。レース後、オコンも悔しい思いをぶちまけた。


ルノー:OK、エステバン。素晴らしい仕事ぶりだった。12番手スタートから8位だから、悪くない結果だ。ダニエルは6位だったから、チームにとっては大量ポイントを獲得できてよかった。よくやった


オコン:了解……いや、やっぱり、違う。僕はそう思わない。今回、僕たちは完全にチャンスを逃した。本当に大きなチャンスだったのに……


ルノー:OK、それでやめておけ。その件についてはミーティングで話そう。もうやめるんだ


オコン:違うよ。僕たちは現実と向き合うべきだっていうことを言いたいんだ


ルノー:お願いだから、無線ではこれ以上話さないでくれ


オコン:何が現実かって。この順位は僕たちがいるべきポジションじゃない


 一方、ポイント圏外の12位に終わったロマン・グロージャン(ハース)は、優勝したのが同じフランス人のガスリーということもあって、無線で後輩の勝利を祝福していた。


グロージャン:レースはどうなった?


ハース:ガスリーが優勝。2位がサインツで、3位(ランス)ストロール、4位(ランド)ノリス……


 そしてこのレース限りでF1から退くこととなったウイリアムズ家へ、ふたりのドライバーが感謝を述べた。


ジョージ・ラッセル:この機会を借りて、クレアとフランクに伝えたいことがある。これまであなたたちがやってきたことすべてに感謝している。あなたたちがF1を去ることはすごく寂しいけれど、心の底から感謝している


ニコラス・ラティフィ:クレア、最後のレースを終えて、いまあなたはいろんな感情が駆け巡っていると思うけど、僕はあなたに感謝しかない。僕だけでなく、F1もあなたたちがいなくなることを寂しがっていると思う。でも、僕たちはこれからもウイリアムズの名前を背負って、100%全力で戦っていくからね


 レース後、クレアはこう語って、サーキットを後にした。



(Masahiro Owari)




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9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

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2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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