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【開幕戦のトロロッソ・ホンダ】初日走行を終えたアルボン&クビアト、対象的なふたりの感触とコース上での予期せぬ出来事

2019年3月15日

 今季のトロロッソ・ホンダのアレックス・アルボンとダニール・クビアトのコンビは、いろいろな意味で好対照である。クールなイメージのクビアトと、感情がすぐに表に出てしまうアルボン。まったくの新人と、一度はトップチームまで上り詰め、どん底から再び這い上がってきたというキャリアの違いも大きいだろう。


 それにしてもアルボンは、なんとも初々しいルーキーである。最近の新人はたとえば去年のシャルル・ルクレール、今年のジョージ・ラッセルなどなど、もう何年も前からF1ドライバーをやってるような顔をしている。それに比べてアルボンはF1の新しい環境に面食らい、それをまた素直に口にするところにも微笑ましさを感じる。


 そんなアルボンは開幕戦の初日セッションで、都合3度ものコースオフをやらかしてしまった。しかし前日までの対応とは様変わりして、この日のアルボンはレーサーらしい闘争心も垣間見せていた。


  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


──トラブル満載のGPデビューだったのでは?


アルボン:いや、それほどじゃないよ。コース自体は凄いと思った。ものすごくバンピーだし、くるくる変わる風向きにも翻弄されたし。でも楽しんだよ。たしかにスピンは何度かやらかしたけど、経験の浅さとコースに馴れてないことが原因だからね。全然深刻なことじゃない。FP1はともかく、FP2はずっと安定して走れた。実際の順位よりは手応えは感じてる。セットアップでの伸び代は、まだまだあると思ってる。


──マシン挙動は、かなりトリッキーでした?


アルボン:風のせいだと思う。バルセロナでは経験しないような追い風で、安定したブレーキングに苦労させられた。向かい風になると、バランスが一気に変わってしまってたし。風に対して、マシンが敏感過ぎるところがあるかもしれない。


 さらにFP2では、ヘッドレストに指を挟まれるという珍しいトラブルにも見舞われた。


──「ヘッドレストに指が挟まれた」と、無線で叫んでましたね。


アルボン:そうなんだよ。すごく珍しいことだと思うし、もちろん僕もこんなこと初めてだった。左にステアリングを切ったら、ヘッドレストとの間に挟まってしまって、一瞬ステアリングが戻らなかったんだ。それでコースオフしてしまった。全然大したことじゃないけど、ちょっと驚いた。


──FP1でクラッシュしたあと、ヘルムート・マルコ博士(レッドブル・モータースポーツアドバイザー)から何か言われてましたね。


アルボン:気にするな、FP2の走りに集中しろとか、そういうこと。


──ここまでのセットアップ作業には、満足できている?


アルボン:明日の予選に向けてやるべきことは少なくないけど、今のところは悪くない。一発タイムもロングランも、けっこういいんじゃないかな。


──昨日は高速コーナーのターン11と12に気をつけたいと言ってました。どうでした?


アルボン:まだ限界まで攻めてないから余裕はある。でも、高速コーナーはたとえ限界まで行っても、タイム的な伸び代はそんなに大きくないからね。むしろ低速コーナー重視だね。


──明日の予選に向けては?


アルボン:中団勢は予想どおりかなり接戦だし、Q1はいかに渋滞を避けて最適なタイミングでアタックに出るかも重要になりそうだね。でも一発の速さは、テストでもよかったしね。


  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 一方のクビアトはバルセロナテストに続いて、開幕戦初日もしごく順調だった。それもあって、受け答えも余裕が感じられる。

■冷静にコースの状況とF1復帰初日を振り返るトロロッソ・ホンダのクビアト

──久々のF1復帰です。


クビアト:やっぱり、いいよね。テストに続いて今日もずっとスムーズで、2回とも可能な限りの周回がこなせた。生産的な1日だったよ。パフォーマンスに関してはこちらは予想どおりの接戦だ。だから今夜は遅くまで頑張って、予選に向けての伸び代を探さないとね。


──中団勢の中では終始トップグループに入っていました。現時点での実力を忠実に反映した結果と言えますか。


クビアト:バルセロナテストでも手応えは感じていたけど、ここはコース特性もコンディションもまったく違う。それでも、この位置に付けられたのは悪くないと思ってる。純粋なパフォーマンスに加えて、クリーンラップが取れるかどうかも重要な要素だ。


──ロングランのパフォーマンスは?


クビアト:こちらはまだ、十分に分析できてない。今夜のエンジニアのデータ解析を待とうと思ってる。このコースはフルブレーキングの必要なコーナーがほとんどないし、ストレートも短い。当然、オーバーテイクは難しいから前のクルマに詰まってしまえばレースペースも落ちてしまう。でも、今のところはロングランも大きな問題はないはずだよ。とはいえ、ここは全21戦の中でもかなり特殊なコースだ。僕らがどれだけの戦闘力があるか、これから1戦ずつ証明していこうと思ってる。


  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 新人ゆえにある程度仕方のないこととはいえ、アルボンは翌日の予選をどうするかで頭がいっぱいの様子。一方のクビアトは日曜日のレースを見据えて、予選の展開を考えている。さらにそれだけでなく最後のコメントからは、シーズンをどう戦うかの目配りまで感じさせる、実に印象的な囲み会見だった。

2019年F1オーストラリアGP トロロッソ・ホンダ ダニール・クビアト
久々のF1復帰となったダニール・クビアト。もともと速さには定評があるだけに、レースでのまとめ方が課題になる



(Kunio Shibata)




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