F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F1技術解説 ホンダPU進化の過程(3):点火方式の変更と圧縮比の改良でさらなるパワーアップに成功

2019年1月10日

 2015年のF1復帰から苦戦を強いられてきたホンダF1。マクラーレンと袂を分かち、トロロッソと手を組んだ2018年シーズンでは、ホンダに明るい兆しが見えてきた。そんなホンダがいかに進化していったか、F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズがその軌跡をたどる。


————————

■日本式ジェットイグニッション機構の導入


日本式ジェットイグニッション機構の導入した2018年
日本式ジェットイグニッション機構の導入した2018年

 F1のV6ハイブリッドパワーユニットが高い戦闘力を発揮するには、高出力と低燃費の両立が不可欠である。言い換えれば、いかに薄い混合気を効率よく燃焼させられるかの勝負といえる。その根本的な解決法としてメルセデスは初年度の2014年から、フェラーリも翌2015年中盤から、そしてルノーも2016年から、決め手となる技術として副燃焼室方式を導入してきた。


 ホンダはすでに1970年代に、類似技術のCVCC方式を市販車で実用化に成功している。しかしF1ではかなり手こずり、苦労の末2017年にようやく導入にこぎつけた。単気筒ではそこそこの結果を出せていたものの、6気筒でのベンチテストになると様々な問題が噴出し、実戦デビューが果たせなかったのだ。中でも低回転域での極端なトルク低下や、車体に組み付けた際の異常振動に散々悩まされた。


 2018年のパワーユニット『RA618H』では点火方式の変更や、圧縮比をさらに高くするなどの改良を加えている。ロシアGPで投入されたスペック2は更なるパワーアップに成功したものの、ホンダの得意分野だったはずのドライバビリティ低下の問題を招いた。燃焼が安定せず、唐突なトルク変動が起きてしまったのだ。しかし日本GPに投入した改良マッピングによって、ドライバビリティだけでなく異常振動も解決の道筋が付いた。


 上の写真の直噴ポンプは左右バンクにひとつずつ置かれ、それぞれ500barもの圧力を発生する。

■正念場の2019年


2019年はレッドブルとトロロッソの2チームにパワーユニットを供給するホンダ
2019年はレッドブルとトロロッソの2チームにパワーユニットを供給するホンダ

 2018年のホンダは、出力向上の課題はほぼ達成することができた。しかし信頼性に関しては、エンジン、ターボ、MGU-K(運動エネルギー回生システム)、MGU-H(熱エネルギー回生システム)を各8基も交換するなど、決して十分なレベルにあるとは言えない。


 ホンダにとっては2019年からのレッドブルとのパートナーシップを見据えた、実戦的なテストの意味合いも確かにあった。全10チームの中で最高の車体を作り続けてきたレッドブルに、下手なパワーユニットは提供できないという相当のプレッシャーをホンダは感じているはずである。2019年シーズンのレッドブルが昨年以上に活躍できるかどうかは、いうまでもなくホンダの戦闘力にもかかっているのである。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ Kunio Shibata)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP