最新記事
- ノリスが劇的展開でスプリント予選トップに。...
- 【F1第5戦中国GP週末の要点】雨を味方につけ...
- 【タイム結果】2024年F1第5戦中国GPスプリン...
- F1、フォーミュラE、ヒストリック。2024年モ...
- F1中国GP FP1:唯一のフリー走行はストロール...
- 【タイム結果】2024年F1第5戦中国GPフリー走...
- 5年ぶりのF1中国GPで、ドライバーたちが路面...
- 複数のチームから関心が向く角田には「ベスト...
- レッドブルF1のエイドリアン・ニューウェイに...
- 鈴鹿を走り込んだ岩佐に期待したRB。FP1デビ...
- グランプリのうわさ話:F1にも導入が計画され...
- 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】...
F1技術解説 フェラーリPU開発の軌跡(1):これまでの苦闘から、いかにメルセデスに追い付いたのか
2019年1月5日
F1の開発はとどまるところをしらず、毎グランプリ、新しいパーツが導入されている。F1iのテクニカルエキスパート、ニコラス・カーペンティアーズが2018年に躍進したフェラーリのパワーユニットについて年代ごとに解説する。
———————————
■フェラーリが苦闘した2014、15年
タイトルこそ獲れなかったものの、2018年のフェラーリは純粋なマシン性能で言えば飛躍のシーズンを送った。中でもパワーユニット(PU/エンジン)『062 EVO』はメルセデスに対し終始互角のパフォーマンスを披露、時にはメルセデスを上回るパワーを発揮した。現行V6ハイブリッドが初めて導入された2014年当時の悲惨な状況を思えば、よくぞここまで盛り返したものである。
フェラーリのパワーユニット開発部門がいかに劣勢を跳ね返し、最強のパワーユニットを造り出すことに成功したのか。豊富なスクープ写真とともに、振り返ってみよう。
■2014年:最悪の初年度
パワーユニット元年のフェラーリは、何もかもがうまくいかなかった。車体開発部門の要請を受けて、ターボコンプレッサーを極限まで小さく設計したのだ。その結果、MGU-H(熱エネルギー回生システム)は十分なエネルギー回生ができず、致命的なパワー不足に見舞われた。そのハンデキャップを空力性能の向上で補えればまだよかったが、目論みは完全に空振りに終わってしまう。
パワーを犠牲にしてでもコンパクトさを追求するフェラーリの設計思想は、オイルタンクをエンジン後方、ギヤボックス上部に設置する愚も犯した(※写真1)。さらにMGU-K(運動エネルギー回生システム)も同様に、排熱の影響をもろに受けるエンジン後方に搭載された。
■2015年:「普通」へ回帰したパワーユニット
2014年の大失敗を受け、フェラーリはパワーユニット開発部門の提案を大幅に受け入れることになった。エンジン部門の責任者であるルカ・マルモリーニの更迭後、同部門を率いたマッティア・ビノットは、ターボコンプレッサーを一気に大型化した。その甲斐あってMGU-Hははるかに多くの熱エネルギーを回収できるようになり、デプロイ効率は飛躍的に向上した。
一方でオイルタンクもより常識的なパワーユニットとシャシーの間に収まったことで、重心位置の低下と、配管が短くなったことによる軽量化の効果も享受できた。(※写真1の円内写真及び写真下の黄色く塗られた部分)
ただしMGU-Kは依然として、エンジン本体の後部に置かれていた。インタークーラーもVバンクの内側に設置するという、非常にユニークな手法を維持した。その狙いはインタークーラーとコンプレッサーを繋ぐパイプを短くすることで、ターボラグを極力小さくすることだった。(※写真2の青く塗られた部分)
しかし2015年型フェラーリ製PUの最大の武器は、副燃焼室であった。ドイツ・マーレ社の供給するTJI(Turbulent Jet Ignitionジェット乱流イグニッション)と呼ばれるシステムの導入によって、非常に薄い混合気でも、ほとんどノッキングの恐れなくスムーズな燃焼ができるようになったのだ。その結果、パワーと燃費の向上を一気に実現できたのだった。
(その2に続く)
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(Translation:Kunio Shibata)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |