アブダビでの初のF1開催の舞台となる、ヤス島のユニークなサーキットのプロジェクトが着々と進行中だ。
ドイツの有名なデザイナー、ヘルマン・ティルケによる最新作となるこのサーキットは、“伝統的”なレーストラックの部分とヤス島のマリーナ周辺のストリートサーキットを融合する面白いコースとなる。
1ラップは5.5km超、20のコーナーがあり、バーレーン・インターナショナル・サーキット、セパン、上海などと同様にティルケが設計したのだが、彼は、ここは今までとはまったく違う仕事になったと語っている。
「設計をするのに、何も描かれていないキャンバスを渡されるのはとても珍しいことだ」とティルケ。
「私も仲間も、アブダビ初のグランプリ開催に一役を担えるなんて、信じられないほど幸運だと思っている。このレーストラックは近代的な常設コース設備の要素とマリーナ専用地区の仮設ストリートコースを、変わった方法でつなぎ合わせて、新しい再開発エリアの中心に丸ごと置かれる」
「アブダビ・ヤス島サーキットの北側は常設コースになり、メイングランドスタンドとパドックエリア、それに常設サービス用の建物をすべて備える予定だ。コース中程のセクションの主な特徴は壮観なマリーナで、最大200フィートの大型ヨットを入れられるよう、またヨットからサーキットを独占的に見られるよう特別に設計される。そしてサーキット南側はマリーナ南端に位置する再開発地区へと通じるストリートコースになる。なお当面の間、レーストラックの中程と南側はすべてマリーナおよび居住エリアとして一年中使用できるようにする」
「F1の世界で初めてのことをするのは何にしても大ごとになるが、このアブダビのトラックは、個性的なサーキットタイプを組み合わせたり、マリーナとトラックをつなげたり、あらゆる手法によって、目標を達成してくれると思う」
2009年にF1が初めてアブダビを訪れる時、このサーキットはどう受け取られるのかまだ分からないが、今年チャンピオンになったばかりのキミ・ライコネンは、初めてここでレースをするのが待ちきれないと話すひとりだ。
「新しいところに行くのはいつでもわくわくすることだが、新しいトラックでのF1も同じだ」とライコネン。
「フェラーリもアブダビにテーマパークを建設しているので、レースウイークエンドにそこに行ったら、間違いなくすごく楽しいだろうね」
「実際にコースを走ってみるまでは意見を言うのは難しい。とても近代的なトラックになると確信しているし、間違いなくとても素晴らしい設備だろうから、ドライバーがお客さんのためにエキサイティングなイベントを繰り広げられるようなトラックであってほしいね」