フェラーリのキミ・ライコネンは、先週末のニュルブルクリンクでのレースがひどく残念な結果に終わったものの、タイトル争いを諦めるつもりは全くないと断言している。
ヨーロッパGPでは土曜の予選でポールを獲得し、最善のスタートポジションを確保したライコネン。しかしレースは全てがうまくいかず、トップを目指す争いのなか、最終的には油圧トラブルのためリタイアを強いられた。
確かに苛立ちはあるだろうが、“アイスマン”ことライコネンは、残りがまだ7戦もあり、諦めるには早すぎると現実的に考えている。現ポイントリーダーのルイス・ハミルトンとのギャップがわずか18ポイントであることも一因だろう。
「モータースポーツがどれだけ難しいスポーツかと、時に頭を抱えることがある。完ぺきな週末にするための全てを手の内に収めていたはずなのに、それを実現できなかった。今年2度目となるリタイアを喫したことは本当に残念だ。完全に打ちのめされたわけではないが、(タイトル争いの)状況は決して良くなってはいない」とライコネン。
「なぜだか分からないが、どうやら僕はドイツのふたつのサーキットから嫌われてるみたいだ。僕の方は、ニュルブルクリンクもホッケンハイムもすごく気に入っているのにね!」
「土曜日にポールを獲得したことで、このネガティブな傾向を引っくり返せるはずだったのに、結局はダメだった。自分ではどうしようもないこともある。来年に期待しよう」
「とはいえ、今シーズン2度目となるポールが穫れたことは本当に嬉しかった。クルマは週末の間ずっと速くて、Q3では全てがうまく運んだ。土曜の夜にはすごくいい感触を掴んでいたし、レースがスタートするわずか数分前の時点で、スタートのおよそ10分後に雨が降ってくると分かっていた。でも実際にはもっと早く、しかも予想外の強さで降ってきたんだ」
「スタートは良かったが、トラックを半周もしたら路面がウエットになった。ピットに入るよう呼ばれたが、ピットレーン入口の白線上で突然クルマが進路を変え、まるで勝手に動くかのようにコースに戻ってしまった。酷い雨のなか、ドライタイヤで走行したこの周回はものすごく大変だった。できるだけ早くピットに戻ってこようとしながら、同時にコースアウトしないように頑張った。赤旗が出されて振り出しに戻ったので、まだ勝利の可能性はあると自信を持っていた」
「僕のリタイヤの原因は、雨とは全く関係ないものだ。フェルナンド(・アロンソ)のすぐ後ろにつけていたとき、小さな問題が出始めたんだ。ディファレンシャル、そしてアクセルのコントロールを失ったため、ピットレーンの入口でクルマを止めることになった」
失意のうちにレースを終えることになったライコネンだが、次戦ハンガリーは彼の地元に最も近く、“ホーム”とも言えるため、巻き返しを図るには完璧な舞台になると語気を強めている。
「僕らは決して諦めない。ドライバーズ選手権での首位との差は変わらなかったからね。残りのレースがまた1戦減ってしまったが、僕らは本当にコンペティティブなマシンを手にしている」
「次のレースはハンガリーだ。去年はそこでポールを獲ったし、2年前にはフェラーリのミハエル(・シューマッハ)を押さえて優勝している。いつも通りフィンランドからたくさんのティフォシが集まるだろうから、みんなと一緒に好リザルトを祝えるように祈るよ」