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ホンダF1甘口コラム総集編(1):2015年の初参戦から5年。大きく信頼性が向上したパワーユニット

2020年12月29日

 ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回は2020年シーズンの総括として甘口の視点でジャッジ。

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 目標にしていたタイトル争いを演じることはできなかったホンダだが、パワーユニット(PU/エンジン)そのもののパフォーマンスに関しては、2020年はこれまでにない前進を見せていたことも確かだ。そのひとつが、耐久・信頼性の確立だ。

 ホンダがF1に復帰した2015年は、パワーユニットの年間使用基数が4基だった。その年、メルセデス製パワーユニットを搭載する4チームは8名のドライバー全員が年間4基でシーズンを乗り切ったのに対して、マクラーレンとパートナーを組んでいたホンダは、フェルナンド・アロンソが19戦で12基のICE(エンジン)を投入し、チームメイトのジェンソン・バトンもターボ(TC)とMGU-Hを年間12基使用した。

 復帰後2年目の2016年は信頼性が向上し、ホンダが年間で使用した基数は最高で9基(アロンソのTCとMGU-H)まで減少した。ところが、パワーユニットのコンセプトを変えた2017年には再び、悪化。ストフェル・バンドーンが12基(TC、MGU-H)、アロンソもTCとMGU-Hを11基使用した。この信頼性悪化によって、ホンダとマクラーレンとの信頼関係にも悪化し、この年限りで両者のパートナーシップは解消された。

 トロロッソにパワーユニットを供給した2018年は、最大8基までに抑えたものの、年間4基というレギュレーションにはまだ遠く及んでいなかった。そのホンダのパワーユニットの信頼性が目に見える形で大きく向上したのが、トロロッソに加えてレッドブルにもパワーユニットの供給を開始した2019年だった。トロロッソは最大7基を使用したものの、レッドブルは最大5基まで使用数を削減することに成功していた(2019年の年間基数はICE、TC、MGU-Hが3基)。

 こうして迎えた2020年。コロナ禍によって22戦が予定されていた選手権は17戦へと減少したものの、年間基数はICE、TC、MGU-H、MGU-Kが3基に据え置かれ、エナジーストア(ES)とコントロールエレクトロニクス(CE)は2基という条件でスタートした。

 ところが、開幕戦からレッドブルにトラブルを発生させ、リタイアするという厳しい出だしとなった。さらに第3戦スペインGPではアルファタウリのピエール・ガスリーにESを除く5コンポーネントに2基目を投入。第5戦70周年記念GPでレッドブル勢がICEなどに2基目を投入。続く第6戦スペインGPではアレクサンダー・アルボンのTCとMGU-Hを早くも3基目に交換。第11戦アイフェルGPではアルボンを除くホンダ勢3人が相次いで新しいコンポーネントに交換。アルボンも第13戦エミリア・ロマーニャGPで3基目のICEとMGU-Kを投入し、ホンダ勢全車のパワーユニットが年間使用基数の上限に達していた。

 しかし、ここからホンダは新たなコンポーネントを投入することはなかった。

 第14戦トルコGPで予選18番手に終わったガスリーに対してアルファタウリとホンダは戦略的なパワーユニット交換を試みようとした。だが、その後ライバルチームに相次いでグリッドペナルティが出て、ガスリーのスタートポジションが上がることになったため、交換はしなかった。

 これに対し、ライバル勢はシーズン終盤に相次いで年間使用基数を超えるコンポーネントを投入していった。メルセデス製パワーユニットはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)とジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が上回り、フェラーリ製パワーユニットはケビン・マグヌッセン(ハース)が最終戦で超過。ルノー製パワーユニットはランド・ノリス(マクラーレン)がICEとTCに4基目を投入した。

 また交換するまでには至らなかったが、メルセデス製パワーユニットはシーズン終盤にMGU-Kに原因不明のトラブルが相次いだため、最終戦ではメルセデス製パワーユニットを搭載する全車に対して、出力を抑えて使用していた。これに対して、ホンダはそのような対処を講じることなく、通常通り使用していた。

 2020年にタイトル争いはできなかったホンダだが、タイトル争いを行うためには年間使用基数内で乗り切ることは必須条件となる。その条件を少なくとも2020年にホンダは達成していた。

 この結果をホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「2020年は22戦から17戦に減ったので手放しで喜べない」と自戒しつつも、次のように評価した。

「ただわれわれとしては、22戦でもいけると思っています。それは、これまで何度もお話ししてるように、ベンチテストや実走で経験した様々なトラブルから学び、熟成を図ってきて、その結果が現在の信頼性に結びついたとおもうからです」

 そして、ライバル勢より早めにシンガポールGPコンポーネントを投入したことについては次のように分析した。

「2020年はシーズン中の性能を向上させる目的でのアップデートが認められていなかったので、新コンポーネントを入れるタイミングは自由だった。我々は信頼性の向上に手応えを感じていたこともあって、早めのタイミングで新コンポーネントを入れて、状況に合わせて使い回していく方法を取りました。それが予想通り、うまく行きました」(田辺TD)

 この高い信頼性に対して、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこう言って、ホンダを称賛した。

「ホンダは今年、唯一、一度もペナルティを受けなかったエンジンメーカーだった」

(Masahiro Owari)




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