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ハミルトンが逆転優勝、メルセデスはコンストラクターズ7連覇。クビアトが表彰台に迫る4位【決勝レポート/F1第13戦】
2020年11月1日
11月1日現地時間午後1時10分、第13戦エミリア・ロマーニャGPの決勝が行われた。
やや雲が多くなって陽射しは弱く、気温は17度、路面温度は24度。Q3進出の上位10台はメルセデスAMG勢とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だけがミディアムタイヤで、それ以外の7台はソフトタイヤ。11番グリッド以下は最後尾のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)だけがソフトを選び、それ以外は全車がミディアムをスタートタイヤに選んだ。
グリッド上でルイス・ハミルトン(メルセデス)はシートに不具合が見つかって直前に修理作業を行った。
スタートはポールシッターのバルテリ・ボッタス(メルセデス)が好発進を見せ、実質的な1コーナーのタンブレロでホールショットを奪う。偶数列は加速が鈍く、タンブレロまでにフェルスタッペンがハミルトンを抜いて2番手に上がり、ダニエル・リカルド(ルノー)もピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)を抜いてハミルトンのインに並びかけるが、ハミルトンはなんとか3番手を守った。
5番手ガスリー、6番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、7番手アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)、8番手ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、9番手ランド・ノリス(マクラーレン)、10位カルロス・サインツJr.(マクラーレン)と順当なスタートとなった。
ランス・ストロール(レーシングポイント)はターン2でエステバン・オコン(ルノー)に接触しフロントウイングの左側を失ってピットインしハードタイヤに交換した。トサ・コーナーではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とケビン・マグヌッセン(ハース)が接触し、マグヌッセンはスピンを喫し19番手に落ちている。
2番手フェルスタッペンは必死に首位ボッタスについていくが、後方の3番手ハミルトンからのプレッシャーに晒される。しかしハミルトンは前走車をフォローするのが難しいと訴え、フェルスタッペンとのギャップは1.4秒に広がっていく。
6周目のタンブレロでサインツJr.がノリスを抜いて9番手へ。好調のガスリーは5番手を堅守していたが、マシントラブルでピットガレージに呼び戻されてリタイアとなってしまった。
9周目にロマン・グロージャン(ハース)、10周目にジョビナッツィ、11周目にジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がピットイン。メルセデスAMG勢も右フロントタイヤのフィーリングは良好ではなく、第1スティントを当初の想定よりも短くする戦略に出た。
想定よりもタイヤは厳しく、13周目にルクレールとノリス、オコンがピットインしハードタイヤに交換。翌14周目にはリカルド、アルボン、クビアトもピットインしてハードタイヤへ。リカルド、ルクレール、アルボン、クビアト、ノリスの順となる。17周目にサインツJr.がピットインし、ノリスと同じミディアムを履いてノリスの前に戻る。マクラーレン勢以外はハードタイヤだ。
17周目のターン2でクビアトがDRSを使ってアルボンのインに飛び込もうとするが、アルボンは譲らずクビアトは右フロントウイングを僅かに接触させるが事なきを得た。
18周目に3番手フェルスタッペンがピットインしてハードに交換。これを見て翌周にボッタスがピットインしてフェルスタッペンの1秒前をキープする。暫定首位に立ったハミルトンはファステストラップを記録してフェルスタッペンに対してオーバーカットを仕掛けていく。ハミルトンは大幅にスティントを伸ばし、メルセデスAMGはボッタスがフェルスタッペンを抑えてハミルトンの援護射撃となっている。
27周目にミディアムスタートのペレスがピットインし、中団勢をすべてオーバーカットしてリカルドの前の実質4番手でコースに戻った。28周目にオコンがクラッチトラブルでアクアミネラリ出口のコース脇にマシンを止めた。
これで30周目にVSC(バーチャルセーフティカー)が出され、この間にハミルトンがピットインしてボッタスの3.6秒前で首位のままコースに戻った。首位はハミルトン、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペンが僅差で続く。VSCは早々に解除されてしまい、4番手にはベッテル、5番手キミ・ライコネン(アルファロメオ)、6番手ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がミディアムのままステイアウト。ピットストップを終えたなかではペレスが最上位の7番手、その5秒後方にリカルド、ルクレール、アルボン、クビアトと続く。34周目にラティフィがピットイン。
36周目のリバッツァひとつめの出口でボッタスがワイドになり、フェルスタッペンは急接近してDRSでさらに差を詰める。ボッタスは2周目のターン7でベッテルのフロントウイング翼端板をヒットしており、左側フロアにダメージを負ってダウンフォースを失っている。これを見てレッドブルはフェルスタッペンにリフトオフを辞めさせプレッシャーを掛けていく。42周目のターン17でボッタスは止まりきれずオーバーシュート。フェルスタッペンはこのチャンスを見逃さず、次のメインストレートでDRSを使ってアウト側からタンブレロでボッタスをパスし2番手に浮上した。
ベッテルは39周目にピットインして入賞圏内でのコース復帰ができるはずだったが、ピットストップに手間取って13.1秒かかり、14番手まで後退してしまった。ライコネンは48周目まで引っ張ってピットインし、ソフトタイヤに履き替えて12番手でコースに復帰。マグヌッセンはレース序盤から訴えていたアップシフト時の衝撃が続き、頭痛を訴えてピットに戻りリタイアした。
51周目のビルヌーブの入口でフェルスタッペンは右リヤタイヤが突然バーストしてコースオフ。これでリタイアとなり、セーフティカーが導入された。
ハミルトンは直前だったためピットインできず、51周目にボッタス、ペレス、クビアト、サインツJr.がピットイン。ハミルトンはセーフティカーに抑えられたものの、フェルスタッペンと同じように右リヤタイヤに不安を抱えていたため翌周ピットインしてソフトに交換し、なんとかボッタスの直前でコースに復帰した。
この周にベッテルもピットインし、ステイアウトしたリカルドが3番手、ルクレール4番手、アルボン5番手。ピットインしソフトタイヤを履いたペレスが6番手、クビアト7番手、サインツJr.8番手、ノリス9番手となり、ライコネンが10番手へ。ラッセルはタイヤを温めようとしてマシンのコントロールを失いアクアミネラリの入口でクラッシュ。ストロールはピットインの際に止まりきれずフロントジャッキマンを跳ね飛ばしてしまった。
レースは58周目に残り6周で再開。ペレスはビルヌーブシケインでアルボンを抜き、その出口でアルボンはホイールスピンしてコントロールを失う。クビアトが前に出てピラテラでアウトからルクレールをかわして4番手に浮上。これで3番手リカルド、4番手クビアト、5番手ルクレール、6番手ペレス、7番手サインツJr.、8番手ノリス、9番手ライコネン、10番手ジョビナッツィ、11番手ラティフィという順位になる。
ハミルトンはファステストを連発してボッタスを引き離していき5.783秒差を付けて今季9勝目。最終ラップに1分15秒484のファステストラップも記録して26ポイントを加算。メルセデスAMGはこれで7年連続となるコンストラクターズタイトル獲得を決めた。
クビアトは最後までリカルドを追いかけたものの決定的なチャンスは訪れず4位。リカルドがニュルブルクリンクに続いて2回目の3位表彰台を獲得した。5位ルクレール、6位ペレス、7位サインツJr.、8位ノリス、9位にライコネンと10位ジョビナッツィでアルファロメオ勢はダブル入賞を果たした。
(Mineoki Yoneya)
1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |