最新記事
- 角田裕毅、「ローソンはいつも故意に妨害」と...
- マクラーレン、ノリスへの処分を撤回。2戦連...
- 新人アントネッリに求めるのは「今季すべてを...
- ノリスへの処分の詳細は「答えられない」とマ...
- 勢いに乗るフェルスタッペンは33ポイント獲得...
- 「これが精一杯」「滑るようになった」後半戦...
- 4連敗のマクラーレン。フェルスタッペンを脅...
- 「2ストライクだ」「ターン13に気をつけて」...
- F1メキシコGPのFP1に9人のルーキーが登場。岩...
- 2025年F1第20戦メキシコシティGP TV放送&タ...
- 【F1第19戦ベスト5ドライバー】チームの期待...
- チームオーダーに背いてガスリーを追い越した...
F1 Topic:ライバルが称賛した最高のディフェンス。なぜガスリーはサインツの猛追を凌げたのか【F1第8戦】
2020年9月10日
F1第8戦イタリアGPでのピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)の奇跡とも思える初優勝には、アルファタウリの絶妙な戦略と、それを実行したガスリーの高度なテクニックがあったことも忘れてはならない。
特に印象的だったのが、レース終盤にカルロス・サインツJr.(マクラーレン)の猛攻を、ガスリーは凌ぎきったことだ。なぜ、ガスリーは防御できたのか。
その最初の鍵となるのが、赤旗によるタイヤ戦略の変更だ。赤旗となる前に2人はともにタイヤ交換を済ませており、そのとき選択したタイヤはガスリーがハードでサインツがミディアムだった。
しかし、赤旗が出てタイヤ交換が可能になったため、ガスリーは残っていた新品のミディアムに交換したのに対して、サインツには新品のミディアムは残っておらず、22周目にタイヤ交換したミディアムをそのまま使用することにした。残り27周ならハードは硬すぎ、ソフトは軟らかすぎたからだ(赤旗後4番手と5番手からスタートしたアルファロメオの2台がポイント圏外に終わり、エステバン・オコンがレース後、無線でエンジニアと口論していたことでもわかる)。
この4周分のマージンが、ガスリーにとって、レース終盤大きな力になる。それはガスリーのほうがダウンフォースをつけ気味にしたセッティングにしていたからだ。モンツァはセクター1がシケインひとつと全開で走る高速コーナーひとつだけの高速区間だが、セクター2にはレズモがあり、セクター3にはアスカリとパラボリカの中高速コーナーがあるため、ダウンフォースもそれなりに必要となる。
つまり、抜きどころとなる1コーナーまでのストレートでは最高速で時速7kmほどサインツのほうが上回っていたが、セクター2と3はガスリーのほうが速かった。特にガスリーが速かったのがセクター2で、ここではハミルトンに次ぐ2番手の速さがあり、7コーナー(レズモの出口)のコーナーリングスピードは、5番手サインツの時速166.3kmに対して、ガスリーは時速179.6kmと時速13kmも速かった。
そのことはレース後の会見でガスリーもコメントしていた。
「カルロスがスリップストリームを利用してくることはわかっていた。だから、僕はコーナーでできるだけタイムを稼いで、近づかせないようにした。でも、そうすればタイヤが傷む。でも、僕たちが勝つにはそれしかなかった」
案の定、ガスリーのタイヤは自分たちが想像していたよりも早く終わり、「最後の数周は滑りまくっていた」と言う。しかし、それでもサインツがなかなかガスリーのDRS圏内に入ることができなかったのは、4周分のタイヤの寿命にあった。
■サインツにオーバーテイクさせないためのガスリーの戦略
それでも、自力に勝るサインツはファイナルラップのホームストレートでようやくガスリーのDRS圏内に入るが、オーバーテイクには至らなかった。そこには、ガスリーの冷静な対応があった。
「回生エネルギーを温存していたんだ。オーバーテイクボタン用に使うためにね」(ガスリー)
このイタリアGPからパワーユニットは予選専用のICE(内燃機関エンジン)モードが禁止され、ICEモードは予選とレースで同一でなければならなくなった。そのため、昨年のオーストリアGPでマックス・フェルスタッペンが逆転優勝した時に使用したような「エンジン11、ポジション5」という設定変更はできなくなっていた。
ただし、それはICEモードであって、回生エネルギーの設定は規制の対象となっていない。
ファイナルラップでようやくDRSを使用して、ガスリーのスリップストリームに入ったサインツも、ガスリーがオーバーテイクボタンで防御したことを認めている。
「やっとピエールのスリップストリームに入ったと思ったら、彼がバッテリーを使って逃げていくのがわかった」
つまり、ガスリーはサインツがDRS圏内に入ってくるまではバッテリーを温存して、タイヤのグリップ力を使ってコーナーで逃げていた。そして、サインツがDRS圏内に入ろうとしてきたファイナルラップへ入る最終コーナーの立ち上がりで、サインツに詰められないよう、オーバーテイクボタンを押して逃げた。
そのことはファイナルラップに入るときのコントロールラインの速度が物語っている。
ガスリー
52周目:時速303.5km→53周目:時速313.9km
サインツ
52周目:時速316.0km→53周目:時速332.9km
53周目のコントロールライン上のスピードは、ストレート区間が速いサインツがスリップストリームを生かして前の周よりも時速約17km速いが、ガスリーもオーバーテイクボタンを押して加速。前の周より時速約10kmスピードアップしていた。
コントロールラインの115m先で、いよいよサインツがDRSのボタンを押してリヤウイングを開放するが、サインツは1コーナーまでにガスリーをとらえることはできなかったことを考えると、サインツのバッテリーがストレート上で切れていた可能性が考えられる。
最大のピンチを凌ぎ切ったガスリーはファイナルラップもミスなくすべてのコーナーを走り切り、トップでチェッカーフラッグを受けた。
敗れたサインツは言った。
「あと1周あれば、優勝できていたかもしれない。でも、今日のピエールの走りは見事だった。あれは最高のディフェンスだったよ」
(Masahiro Owari)
関連ニュース
| 10/25(土) | フリー走行1回目 | 3:30〜4:30 |
| フリー走行2回目 | 7:00〜8:30 | |
| 10/26(日) | フリー走行3回目 | 2:30〜3:30 |
| 予選 | 6:00〜 | |
| 10/27(月) | 決勝 | 5:00〜 |
| 1位 | オスカー・ピアストリ | 346 |
| 2位 | ランド・ノリス | 332 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 306 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 252 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 192 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 142 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 89 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 678 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 341 |
| 3位 | スクーデリア・フェラーリHP | 334 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 331 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 |
| 8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 59 |
| 9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 48 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


