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【特集:F1マシンの誕生】製作開始(3)クラッシュテスト後には約2週間をかけて組み立て

2018年2月12日

 F1マシンの完成には、コンセプトの提案から冬のバルセロナテストで実車を走らせることにこぎ着けるまで、実に1年以上の歳月を必要とする。ルノーF1チームのテクニカル・ディレクター、ニック・チェスターへの独占インタビューを基に、F1マシン製作の全過程を「コンセプトを決める」「開発のスケジューリング」「F1マシンのデザインとは」「マシン製作」の4テーマにわたって紹介。 
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第4章:マシン製作

その3:パーツ製作
 モールド(型)ができ上がり次第、パーツの製作に取りかかる。まずはモールドの内側に何層もの複合素材のシートを貼り付けて行く。貼り付けにはミリ単位の正確な位置取りと折り曲げが求められるが、そこで活躍するのがレーザーによる緑色のラインである。

ミリ単位の正確な位置取りで役に立つレーザーによる緑色のライン(写真白矢印)


 張り合わされたパーツ素材は、モールドごと真空バッグに収納される。そしてオートクレイブに運ばれる。F1チームのファクトリーは通常、この規模のオートクレイブを2〜3基設置している。

パーツ素材は真空バッグに収納

 複合素材の強度をさらに増すために、パーツはサンドイッチ構造にするのが普通だ。アルミニウムか防弾チョッキなどにも用いられるアラミド繊維をはさんだハニカム構造にすることが多い。


 複雑で大きなコンポーネントの場合、いくつかのパーツを組み合わせることになる。その場合は超強力な接着加工を行う。


 典型的なのがモノコック製造で、ふたつに分割された内部のバルクヘッドを接合してから、モノコック上部と下部を接着する。そして最後に、サスペンションの取り付けやケーブル類を通すのに必要な、開口部を開ける作業が待っている。これはCADファイルを基に、5軸スライス盤で正確に行われる。


■クラッシュテストと組み立て、シェイクダウン


 パーツ完成後は、FIA(国際自動車連盟)係員立ち会いのもと、クラッシュテストに通らなければならない。一部はファクトリーで、それ以外はFIAが認定したイギリスの2ヶ所のラボ、そしてイタリア、ミラノの1ヶ所のラボで行われる。

パーツ完成後はクラッシュテストを実施

 クラッシュテストにも無事に合格し、約2万点のパーツが完成すれば、あとは組み立てである。


「組み立てには、約2週間を要する」と、ルノーF1のテクニカル・ディレクターのニック・チェスターは言う。


「シャシー、足回り、駆動系、それぞれの分野で、デザイナーたちは組み立て用のマニュアルを作成する。ギヤボックスのような複雑なパーツは、完成までに数週間かかることもある」


 無事に組み立てが終わり、各部が予定通り機能することが確認できれば、撮影日の名目でサーキット走行が許されている1日を使用して、シェイクダウンを行う。

開幕戦に間に合うように2代目のマシンを制作開始

 冬のテストの数日前にシルバーストンなどイギリス国内のサーキットで行い、すぐにバルセロナに陸送される。その間に開幕戦に間に合うよう、ファクトリーではすぐに2代目のマシンの製作に取りかかる。


 冬のテスト用の交換パーツはもちろん用意されているが、あくまで最小限の数しかない。この時点での空力仕様は、まだまだレース本番に向けたものではないからである。


 わずか3ヶ月のオフシーズン中も、ファクトリーは決して休むことはない。そして冬のテストが終わる頃には、開発エンジニアたちはすぐに来季用のマシンの構想に取りかかるのである。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(Translation:Kunio Shibata)


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