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【F速プレミアム】グランプリのうわさ話:2021年のボッタス後任候補として注目されるラッセル

1月15日

 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。

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ハミルトンが引退する前に……
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 メルセデスF1は、2020年シーズン終了以降のドライバーがひとりも決まっていない唯一のトップチームだ。レッドブルは、マックス・フェルスタッペンと2023年末まで契約を延長することに成功している。これはある意味で、マーケットに残るベストドライバーを確保するためにはハミルトンと長期契約せざるを得ない、というメルセデスにとってのプレッシャーといえる。

 だが、一方でチーム代表のトト・ウォルフにしてみれば、2023年末まではハミルトンに勝てるマシンを提供できるのは自分たちしかいないという意味で、思うがままに交渉できるという見方もできる。

 今後はハミルトンのサラリーやレース以外の時間における行動の自由をめぐって、彼とチーム経営陣との間で主導権争いの駆け引きが激しくなるだろう。しかしウォルフにとってのより大きな懸念は、長期的な観点で誰をセカンドドライバーにするのかという問題だ。

 バルテリ・ボッタスは、ハミルトンが去った後のチームを自分が引っ張れるということを証明できていない。したがってウォルフとしては、育成ドライバー契約を結ぶジョージ・ラッセルを2021年と2022年にセカンドドライバーとして起用する方向で検討している。ハミルトンが去るときまでには優勝候補に成長できているように、若いイギリス人ドライバーに時間を与えるためだ。

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オーストラリアの森林火災に懸念
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 オーストラリア東部で猛威をふるっている森林火災は、今のところメルボルンからは数百キロ離れているため、来たるF1開幕戦オーストラリアGPへの直接的な脅威にはならないようにも見える。しかし、3月中旬までに状況が改善しない場合のドライバーやクルーの健康被害に対する懸念は高まっている。

 現在メルボルンで開催されているテニスの全豪オープンでは、すでに数名の選手が汚染された空気による影響を理由に参加を取り止めた。今後数週間でさらに多くの煙が流れ込むと予想されており、状況の悪化は避けられない見通しだ。現時点でもグランプリ主催者はレースへの影響がないと考えているようだが、すでに外国人へのチケット販売数の落ち込みを覚悟しなければならなくなっている。現在オーストラリア訪問を考えている人の数が、通常時よりもかなり減っているためだ。

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ピレリ、2020年タイヤを却下され意気消沈
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 ピレリは、2020年シーズンにも継続して提供することを余儀なくされた2019年型F1タイヤについて、過度のデグラデーションやバーストの危険を減らすために極端な手段を使うことにした。2020年に向けて当初開発されていた新型タイヤが、F1の全チームによる投票で拒否されたためだ。

 カーレーシング部門責任者のマリオ・イゾラによれば、それを安全に行う唯一の方法は「シーズン開幕当初からタイヤの空気圧を高めること」だという。「2020年のマシンは、当然2019年仕様のものより速く走れるはずだ。我々の2019年型タイヤは、設計された段階では想定されていなかった負荷にさらされることになる。だからレース中に問題が発生しないように、メルボルンの開幕戦から空気圧を高めることにした。

 これによって予選ではタイヤのグリップが低下するだろう。だが同時にデグラデーションも通常より小さくなるはずだ。戦略のバリエーションが減ることにつながり、そのためにレースの面白さも薄れてしまうと考えている。しかしこれが各チームの望んだことであり、各チームが手にするものだ」と話を結んだイゾラは、ピレリの新型タイヤが各チームの反対にあったせいもあってか意気消沈した様子だった。

(Translation: AKARAG/ Yasuo Miyake)