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【F速プレミアム】グランプリのうわさ話:F1への新規参入を目指すチームにFOMが冷や水

10月10日

 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を『F1速報』から依頼を受けた調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。

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F1チーム設立にFOMの高い壁
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 F1は、2021年に新たなチームが参入することを望んでいない。先週、F1が声明を出して、そのことが非情なまでにはっきりしたのは、F2とF3に参戦中のカンポス・レーシングから派生するスペインの新チームが、2020年初頭からグランプリに加わりたいとする意向を発表してからわずか数時間後のことだった。

 モナコに拠点を置くMIMグループの支援を受けて、新チームは既にピーター・マックールやベン・ウッドといったF1の著名エンジニア数名と契約を交わしており、現在FIAやフォーミュラワン・マネジメント(FOM)とF1参入について詰めの協議を行っていると発表した。

 しかし、同じ日の午後になって、FOMは「我々は新チーム参入についていかなる個人とも法人とも真剣な討議を行っていないことを確認する」旨の声明を発表したのだ。

 この声明はロシアのSMPレーシングにも当てはまる。チームのオーナーで富豪のボリス・ローテンブルクが、自身が支援するF3チャンピオンのロバート・シュワルツマンや前ウイリアムズF1のセルゲイ・シロトキンといったドライバーたちのシートを確保するためにF1チームの設立を検討している、とソチで語った後だからだ。

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ロシアGP開催地の変更のうわさは『的外れ』
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 同じくロシアの話題として、グランプリの開催場所がソチからウラジミール・プーチンの故郷でもあるサンクトペテルブルグに移るといううわさは、かなり的外れのようだ。

 当事者であるイゴラ・ドライブのオーナー、ウラジミール・ヴァシリエフですら、交渉は行われていないとしてこれを否定した。

「確かに我々のコースはグレード1に認定される予定だ。すなわちF1の開催が可能になる。しかしそれは我々の目標ではなく、またこの件でいかなる交渉も行っていない。ソチは2025年まで契約があるはずだ。彼らは現在の成果に満足しているし、観客数も毎年伸びている。つまり、私としてはこうした憶測がどこから来るのか分からない、ということだ」

 サンクトペテルブルグはソチよりも多くのファンを引き寄せるだろうが、イゴラ・ドライブは市の中心部から北に70q近く離れているうえ近隣に宿泊施設もないため、ここでレースを行えばチームやファンがロジスティクス面で悪夢を見るだろうということは、ここに記しておく価値があるはずだ。

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議論続く競技規則の問題に締め切り迫る
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 2021年技術規則と競技規則に関する、各チーム、FIA、FOMの間の交渉が鈴鹿で行われる。この会合が最後から2番目の回となり、新ルールを10月31日までに公表するための時間をFIAに与えるために、最終回の会合が行われるメキシコでは、議論が続く問題すべてについて結論を出さなければならない。

 レースウイークの形式については、まだ多くの懸案事項が残っており、その範囲もシャシーのコンセプト、共通パーツの使用、バジェットキャップの施行方法など多岐にわたる。パワーユニット規定については、改訂せずにほぼそのまま残すということでおおむね合意に至ると見られる。

 マニュファクチャラー各社が、費用削減の効果が薄く信頼性にもマイナスの影響を与えるという理由で、外部メーカーが供給する共通パーツの利用という新提案を断固拒否しているためだ。

(Translation: AKARAG)