【】フェルスタッペンF1優勝会見:7番手からの大逆転に、「この勝利でホンダに対する疑問や不安が吹き飛んだ」
7月5日
F1第9戦オーストリアGPで今季初優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン。ホンダF1にとっては2006年以来の優勝となった。
トップでチェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンだが、シャルル・ルクレールとの接触が審議対象となってしまう(後にレーシングインシデントとして裁定されペナルティが科されないことが決定した)。まだ審議結果が出ていないなかでの会見となったが、フェルスタッペンはホンダとともに掴んだ勝利の喜びを語った。
———————————-
──素晴らしい優勝でした。レースを振り返ってもらいたいのですが、まずスタートで何が起きたのでしょうか?
マックス・フェルスタッペン(以下、フェルスタッペン):スタートでアンチストールを作動させてしまった(エンジンストップを回避するために強制的にクラッチが切られること)。おそらく、僕たちのクラッチのセッティングが少しアグレッシブになっていたんだと思う。
さらに、ポジションを挽回しようと、オープニングラップでブレーキをロックさせて、フラットスポットを作ってしまった(1周目の4コーナー)。そのため、1セット目のタイヤはバイブレーションに悩まされることになった。でも、僕たちはピットストップをできるだけ遅らせることにしていたから、このタイヤで粘り強く走るしかなかった。
――タイヤ交換を済ませてからは、ペースが上がりました。
フェルスタッペン:タイヤを変えたら、一気にペースが上げられるようになった。まるで、クルマが生き返ったかのようだった。でも、あのとき僕たちはまだ勝負は後半になると思っていて、タイヤをいたわって、しばらくは落ち着いて走ることにした。
――優勝を意識したのは、いつごろですか?
フェルスタッペン:バルテリ(・ボッタス)をオーバーテイクした後も、ペースがすごく良かったので、あのあたりから勝利を狙えるかもしれないと思った。でも、まだどうなるかわからなかったので、とにかく全力を尽くして、自分の走りに集中していた。
――あと3周というところで、トップに立ちましたがいかがでしたか?
フェルスタッペン:ついにやったという感じだった。今週末はずっとマシンの調子が良かったからね。チームがこのグランプリに投入したアップグレードがうまく機能していたと思う。
また、ホンダの仕事ぶりにも感謝したい。彼らは復帰後、しばらく苦しい日々を経験していたけど、今日のホンダは本当にすごかった。だから、彼らが喜ぶ姿を見たときは、僕もとてもうれしかった。
――シャルル・ルクレールへのオーバーテイクについて、あなたの意見を聞かせてもらえますか?
フェルスタッペン:前の周にうまくいかなかったから、2回目はさらにブレーキングを遅らせた。そうしたら、コーナーの出口で僕たちは軽く接触した。でも、あれはレースの一部だと思う。あのコーナーは上り坂になっていて、ラインを外せば、ああなることは不思議じゃない。それを覚悟でオーバーテイクを仕掛けただけ。ただ、相手の背後を安全運転していたら、退屈なレースになっちゃうよ。
――ルクレールをオーバーテイクするのは、ターン3しかありませんでしたか?
フェルスタッペン:それは状況による。もし、シャルル(・ルクレール)がターン3でインを完全に閉めてきたら、次のコーナーに切り替えるしかなかった。その前に、セブ(セバスチャン・ベッテル)を攻略したようにね。どこで仕掛けるかは、前を走るドライバーがどうディフェンスしてくるかによるからね。
――今回の優勝はレッドブル・ホンダにとって、どんな意味をもたらすでしょうか?
フェルスタッペン:この1勝はとても重要な勝利となったことは確かだ。チームにとっても、ホンダにとっても。何よりうれしいのは、今日の勝利で僕たちのなかに存在していた、いくつかの疑問や不安が吹き飛んだということだ。いまはなんとも言えない気分だよ。
――あなたにとって、今日の勝利は過去の5勝と比べていかがですか?
フェルスタッペン:個人的にも、忘れられない1勝になると思う。だって、7番手からの大逆転だからね。今回の勝利がこれまでと一番違うのは、パートナーを組んでいるホンダと掴んだ初めての勝利ということ。それがいまはとてもうれしい。
(Masahiro Owari)
マックス・フェルスタッペン関連記事
- フェルスタッペンがF1中国GP初優勝。セーフティカー出動も2位に13秒以上の差「ペースや一貫性、すべてに満足」
- レッドブル100回目のポールをフェルスタッペンが獲得「今日は狙っていた。ワンツーで記録を飾り最高の日に」F1中国GP
- フェルスタッペン、トラックリミット違反を繰り返し4番手「雨ではマシンが機能しなかった」/F1中国GPスプリント予選
- 王者フェルスタッペンの戦い:フリー走行での苦戦を素直に認める「セットアップで自分の考えを押し通したけど……」
- F1日本GP技術解説:レッドブルの大型アップグレード(2)開口部の形状を変更。追求し続ける冷却と空力効率のバランス
- フェルスタッペン今季3勝目「すべてがうまくいった。日本のファンとホンダの前で勝てて嬉しい」レッドブル/F1日本GP