2019年F1第4戦アゼルバイジャンGP ダニエル・リカルド(ルノー)

【】「リカルドは口達者なルノーF1を信じたのだろう」レッドブル・ホンダのマルコ博士、契約交渉を振り返る

5月7日

 レッドブル・ホンダのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ダニエル・リカルドはルノーの説得力に屈して2018年の夏にチームと契約し、レッドブルを驚かせたのだと述べている。

 2018年シーズンに強力なスタートを切ったリカルドは、自身の将来を決めるにあたっては複数の選択肢があるだろうと考えるようになった。その時の状況は、今年放映されたNetflixのドキュメンタリー『Drive to Survive』に詳しく描かれている。

 しかしながらマルコは、Netflixは実際に描かれたものとはまったく異なる筋書きを予想していたと語っている。Netflixはリカルドが2019年の移籍先としてどのトップチームを選ぶか、懊悩する場面を放映したかったのだという。

「あの回は、彼が2018年の夏にフェラーリかメルセデスに行くか、それともレッドブルに残るかという場面を見せるはずだった」とマルコは『Motorsport-total.com』に語った。

「だが状況は、彼の想像やNetflix側が期待していたものとはまったく異なる展開になった」

 2018年のモナコGPで勝利を収めたリカルドは、メルセデスに移籍するチャンスがあると確信しており、バルテリ・ボッタスがシーズンの終わりにメルセデスを離れる可能性について、マルコと1000ユーロ(約12万円)の賭けをしていたという。

 だがその筋書きは実現せず、リカルドは他の選択肢を検討しなければならなくなった。

 昨年の夏の初めにリカルドとレッドブルの間で複数回の話し合いが行われ、マルコはリカルドがレッドブルに残るだろうと完全に信じていた。しかし話し合いは長引くことになった。

「私にとっては、すべてが順調に見えた」

「我々はオファーの条件を改善し、彼が改善の必要があると考えていることすべてについて話し合った。オーストラリアの彼の個人スポンサーについてもだ。比較的長い話し合いとなった」

「そして彼は週末にかけて(レッドブルオーナーの)ディートリッヒ・マテシッツと話し合いをした。彼はすべての条件は合っており、チームに残るかのようにほのめかした」

「だがこの契約にサインされることはなかった。契約書は完全に出来上がっていたが、彼は些細な金額やその他細かいことなどを、いつまでも持ち出し続けた」

「ハンガリーでのインシーズンテストの後、私は契約はこれ以上進まないだろうとすでに思うようになっていた」

 今となっては、マルコはリカルドが最終的にルノーと高額の契約を締結したことに驚いておらず、リカルドはルノーの自己宣伝と誇大な口上につられたのだと考えている。

「ルノーは自己宣伝に長けている」

「彼らは我々に図表を何度も提示して、翌年にはエンジンがどれだけ最高なものになるかを示したものだ。彼はそれを信じたのだろう」


この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)