【】レッドブル・ホンダF1密着:4位と6位は現状できうる限りの好結果。スペインGPに向けたニューウェイの新パーツに期待
4月15日
F1第3戦中国GP決勝は、マックス・フェルスタッペンがバーレーンGPに続いて4位に入賞。チームメイトのピエール・ガスリーは、予選ポジションをしっかりと守って、レッドブルでの自己ベストとなる6位でフィニッシュした。またガスリーはレース終盤にソフトタイヤに履き替えて、自身初のファステストラップも記録した。
「マックスがフェラーリ勢の間に割って入って4位を獲得するという良いレースを披露してくれました。彼の走りとチームの戦略がうまく噛み合った結果だと思います。ガスリーもバーレーンに続く入賞を果たし、レース終盤にはファステストラップも獲得し、明るい話題を提供してくれました」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、中国GPのレースをそう振り返った。そして、こう付け加えた。
「ベターですかね」
ベターはグッドの比較級である。しかし、この比較はメルセデスやフェラーリに対してではない。前戦バーレーンGPと比較して、「より良い結果」という意味だ。
ただし、最上級である「ベスト」を使わなかったところに、レッドブル・ホンダが現在抱えている問題が見え隠れしている。田辺TDはこう続けた。
「戦略でフェラーリ勢の間に割って履いてることができたものの、ペース的には不足していました。予選でフェラーリに勝てたかもしれないですが、まだ差はあります。レースでもおしなべて少しずつ離されていくというレース展開でした。予選もレースでもまだ差があるということです」
しかし、田辺TDはそれほど落胆もしていない。
「この結果はウインターテストのときから感じていました。あわよくば、とも思っていなかった。バルセロナでのテストも含めて、4カ所のサーキットで走らせてみての結果ですから、勢力図は明らかだと思います。残念ながら、これがいまのトータルなクルマの現状だと思います」
空力の天才、エイドリアン・ニューウェイが開発を率いているレッドブルは、空力性能に優れたマシンを作り出すことで有名だ。しかし、中国GPの週末はサーキットにその姿を見ることはなかった。いま、パドックでは「レッドブルがスペインGPに向けて、コンセプトを一新したフロントウイングを投入する準備を進めている」とまことしやかにささやかれ始めている。
(Masahiro Owari)
マックス・フェルスタッペン関連記事
- 王者フェルスタッペンの戦い:フリー走行での苦戦を素直に認める「セットアップで自分の考えを押し通したけど……」
- F1日本GP技術解説:レッドブルの大型アップグレード(2)開口部の形状を変更。追求し続ける冷却と空力効率のバランス
- フェルスタッペン今季3勝目「すべてがうまくいった。日本のファンとホンダの前で勝てて嬉しい」レッドブル/F1日本GP
- レッドブル&HRC密着:着々とライバルを攻略し2位の座を取り戻したペレス。代表は「最高のシーズンスタート」と評価
- フェルスタッペン「雨の影響で未知の部分はあるが、去年のような圧勝にはならないと思う」レッドブル/F1日本GP金曜
- 王者フェルスタッペンの戦い:リタイア後も冷静さは失わず「重要なのは同じことが起きないように対策をすること」