2019年第1回F1テスト3日目 ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

【】トロロッソ・ホンダが3日間総合での最速タイムを記録。ウイリアムズがようやくシェイクダウンも前途多難/F1テスト1回目デイ3

2月21日

 20日、F1プレシーズンテストが3日目を迎え、10チーム13人がドライコンディションのスペイン・バルセロナでニューマシンを走らせた。

 新車の完成が遅れ、前半2日間を欠席せざるを得なかったウイリアムズだが、テスト3日目の朝にFW42がようやく到着。午後のセッションでジョージ・ラッセルにより、新車のシェイクダウンが行われた。

 ラッセルは23周を走行、C3タイヤで記録した1分25秒625で最下位13番手となった。

 チーム副代表クレア・ウイリアムズは、「他のチームが走行をスタートしている時に自分たちのレースカーが到着しなかったというのは恥ずかしいこと」と語り、当初は火曜には走行を開始できると考えていたものの、パーツの到着が遅れたと明かした。水曜にもまだパーツがすべて揃ってはおらず、この日はシステムのチェックのみを行った。残りのパーツは水曜夜に届く見込みで、木曜には空力プログラムを開始する予定だということだ。

 この日トップタイムを記録したのは、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアト。セッション残り約15分となったところで最もソフトなC5タイヤを履いてコースに出たクビアトは、1分17秒704と、ここまでの3日間で最速となるタイムをマークした。周回数の面でも順調でクビアトは137周を走りこんでいる。

2019年第1回F1テスト3日目 ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
2019年第1回F1テスト3日目 ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)

 セッション終盤までタイムシートのトップに位置していたアルファロメオのキミ・ライコネンは、クビアトに抜かれて2番手となった。ライコネンの自己ベストタイム1分17秒762は午前セッションでC5タイヤ装着時に出したものだった。ライコネンは、クビアトより1周多い、この日最多の138周を走行している。

アルファロメオC38をテストするキミ・ライコネン
アルファロメオC38をテストするキミ・ライコネン

 3番手に続いたのはルノーのダニエル・リカルド。前日、リカルドが走行中にルノーにDRSトラブルが発生、リヤウイングのメインエレメントが吹き飛び、リカルドがスピンするというアクシデントがあった。ルノーは問題の原因を突き止めるまでドライバーたちにDRSの使用を禁じたが、リンクバーのトラブルで、簡単に修復できたということで、水曜にはDRSを通常どおり使用して走行を行った。

2019年第1回F1テスト3日目 ダニエル・リカルド(ルノー)
2019年第1回F1テスト3日目 ダニエル・リカルド(ルノー)

 午前担当のリカルドは、80周を走り、C4タイヤでの1分18秒164の自己ベストタイムを記録した。午前中に走ったニコ・ヒュルケンベルグは、63周のなかで、1分18秒800(C4タイヤ)で全体の6番手だった。

 初日、2日目とトップタイムを記録してきたフェラーリが、3日目には4番手となった。この日を担当したセバスチャン・ベッテルは自己ベストタイムの1分18秒350(C3タイヤ)を午前中に出し、134周を走った後、セッション終了時刻を待たずに作業を終えた。「計画していた走行距離を予定より早く走り終えた」とチームは述べている。

2019年F1バルセロナテスト1回目 セバスチャン・ベッテル フェラーリSF90
2019年F1バルセロナテスト1回目 セバスチャン・ベッテル フェラーリSF90

 5番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。フェルスタッペンは109周を走りこみ、午後のセッションで記録した1分18秒787(C3タイヤ)が自己ベストとなった。

 ハースのロマン・グロージャンが7番手、テストドライバーのピエトロ・フィッティパルディが8番手に続いた。ハースにはトラブルが多発してコース上でマシンがストップ、この日、3回赤旗の原因を作った。チーム代表ギュンター・シュタイナーは、電気系のトラブルが発生したと説明している。午後に走行したグロージャンは69周のなかで1分19秒060(C3タイヤ)、午前を担当したフィッティパルディは48周を走り、1分19秒249(C4タイヤ)をマークした。
 9番手はマクラーレンのカルロス・サインツJr.だった。午前セッションのスタートが遅れたサインツは、スピンを喫してコースオフする場面もあったが、一日のなかで90周を走行し、C3タイヤで1分19秒354の自己ベストタイムを出した。
 レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスが10番手に続いた。午前中にC3タイヤで1分20秒102の自己ベストをマークしたペレスは、合計67周を走行。レーシング・ポイントは3日連続で周回数が100周に届いていない。
 王者メルセデスのバルテリ・ボッタスが11位、ルイス・ハミルトンが12位に続いた。この日もメルセデスはロングランに集中し、タイムシート上位に来るようなタイムを記録しなかった。午前担当のボッタスは88周のなかで1分20秒693(C3タイヤ)、午後に作業を引き継いだハミルトンは94周を走り、1分20秒818(プロトタイプタイヤ)と、この日最速のクビアトより約3秒遅いタイムにとどまった。しかし周回数は合計182周と、チーム別では最多の距離を走りこんでいる。

(autosport web)