2024.05.16

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:マイアミGPの週末は苦戦「ここではどうすればタイヤを機能させられるのかわからない」


(c)XPB Images
 F1第6戦マイアミGP、スプリントでは勝利したももの肝心の決勝レースで2位に終わったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。マイアミでは未だにセットアップに苦しむという。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレース週末を語る。
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 初めてスプリントフォーマットで開催されたマイアミGPの週末、F1世界選手権王者にしてレッドブル・レーシングのエース、マックス・フェルスタッペンはこう語っていた。「スプリントフォーマットは、いまだにあまり好きになれない。でも、2024年からの変更で多少は良くなった。クルマのセットアップを少し調整できるようになったからね」

 実際、その変更がなければ、どうなっていたことだろう! マックスは言う。「僕にとってマイアミ・インターナショナル・オートドロームは、依然として謎だらけのサーキットだ。安定して機能するバランスを見つけるのがものすごく難しい。タイヤのグリップレベルやクルマの反応が、セッションごとに変わるどころか、1周の間にもセクターによって変わってくるほどだ」
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 それでもフェルスタッペンは、ポールポジションからスタートした土曜のスプリントを制覇し、マイアミでの無敗記録を維持した。過去14回行われたF1スプリントのうち、9回は彼が勝ったことになる。また、続いて行われたグランプリの予選でも、キャリア通算38回目のポールを獲得した。

「最前列につけることができて満足だけど、正直なところ、予選はエンジョイできなかった。コースは相変わらず滑りやすく、次のコーナーの路面状況さえ予測できないほどでね。金曜から土曜にかけてセットアップの手直しはできたけど、それでもドライブが楽しかったとは言えない」

「はっきり言ってしまうと、ここではどうすればタイヤを機能させられるのかわからないんだ。それもあって、なかなか1周をクリーンにまとめられない。どうやら路面の性質、タイヤ、気温の組み合わせによるものらしいんだけどね」

 日曜のグランプリでは、それがマックスの取り越し苦労ではなかったことが証明された。マクラーレンのランド・ノリスのペースについて行けなかったのだ。「セーフティカーが出たタイミングが彼にとっては完璧で、その点で運が良かったことは確かだ。でも、だからといって優勝の価値が損なわれるわけではない。ランドの速さには驚かされたし、もっと早い時期に初勝利をあげて然るべきだった。まるで自分のことのようにうれしいよ」

(c)XPB Images

「どうしてこれほどタイヤに苦労させられたのか、原因をしっかり突き止める必要がありそうだ。概してグリップがなかったし、アンダーステアになったりオーバーステアになったりして、バランスが不安定だった。それに加えて、ボラードをヒットしてしまうというミスもあって、とにかくメチャクチャだったよ。まあ、いいレースではなかったとはいえ、2位でフィニッシュできたのだから、こんなふうに愚痴ばかりこぼすのもどうかと思うけどね」

 この週末、パドックでの最大の話題は、もちろんエイドリアン・ニューウェイがレッドブルを離れるという発表だった。フェルスタッペンは言う。「僕らのクルマのパフォーマンスに、エイドリアンが計り知れない影響を及ぼしていることは、誰にも否定できない。でも、彼の役割も年々変わってきている。外部の人からすれば、彼の離脱は劇的な変化に思えるだろうけど、チーム内ではそれほどでもないんだ。もう今後の方針は決まっているし、エイドリアンがいなくても、素晴らしい才能に恵まれたエンジニアたちのチームが競争力を保ってくれると信じている」

「エイドリアンがしてくれたことへの感謝の気持ちは一生忘れないよ。僕のリスペクトはとても深いもので、彼がこのチームを離れるからといって失われたりはしない。20年近くも同じチームにいて、そろそろ何か違うことをすべき時だと思うのは十分に理解できる。もちろん、エイドリアンにはずっとチームにいてほしかったけど、僕は彼にこう言ったんだ。

『あなたがハッピーでいられることをしてほしい』ってね」

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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